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2008年 07月 29日 ( 1 )
バスの中での、短いお話
蒸した重たい空気を、割るようにして夕立が降る。

傘も持たずに、びしょ濡れになるサンダルの観光客の姿を、バスの中から見ていた。

今週も2日が過ぎたなぁ ・・・

ウトウトしかけた時、あるバス停で、男性2人が乗り込んできた。
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1人は背の高い若い西洋人、1人は黒い眼鏡の、多分、日本人

デイバッグを片方の肩に下げ、どちらも似たようなキャップをかぶっている。

いったんバスの中に乗り込むと、西洋人の男性は椅子に座った。

そして、ずっとニコニコしているアジア人の彼は、紙切れを持って立っている。

西洋人の男性の前に立ち、ニコニコしながら何か言うと、運転手のもとに歩いて行った。

運転手に、笑顔で紙切れを見せて、何度も大きく頷くと、西洋人の彼に何か言いに来た。

もう一度、運転中だったけど運転手に話しかけ、ようやく彼は席に着いた。
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2人は、何故か離れて座り、一度も言葉を交わさなかった。

そして、街の中央に来た時、西洋人の彼が降車ボタンを押した。

アジア人の彼は、少し驚いたようにその姿を見上げていたが。

背の高い西洋人の若者は、アジア人の彼を一瞥もせずに立ち上がった。

そして、次の停車場で降りる為に、バスの最前列に向かった。

アジア人の彼は、少しの間、彼の後姿を見守ったが ・・・

背中を向けた彼が、振り返ることがない為か、窓の外にそびえる城を見上げた。
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そして、乗り込む人で混みあうバス停で、背の高い彼は独り、潔く飛び降りた。

アジア人の彼は、そのまま城を見上げたままだった。

明らかに、一緒に乗り込んできた2人。

すぐに座った彼に、運転手との会話を伝えていた黒髪の彼。

2人が、どういう関係だったのか、色々と想像してしまった。

友達だったんじゃないのだろうか ・・・

背の高い彼が、どうして口も利かずにバスを降りたのか ・・・


彼らがバスに乗ってきてから、ずっと2人を見続けてしい、考えずにはいられなかった。
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私の降りる停留所で、バスの運転手が、アジア人の彼に声をかけた。

 ここが、あなたの降りるxx通りの始まりよ

何を言われたのかわからない様子で、3度目にようやく xx通り と聞き返し。

デイバッグを提げた、キャップのアジア人は、バスを降りた。

きっと旅行者なのだろう ・・・

彼は今夜、宿泊するベッドに入り込んだ時、何を考え、回想するだろう ・・・

色々な思いや、経験を一杯に抱えて、若者は頑張っている ・・・

そこで見上げたエジンバラ城の白い輝きを、彼はきっと忘れないだろう ・・・


夕立が上がった、アスファルトの匂いを嗅ぎながら。

私も少しだけ がんばろ って思った。
by yayoitt | 2008-07-29 03:00 | 英国暮らしって... | Comments(12)