2005年 04月 09日 ( 1 )
ある営業マンの話 2
日本人の私達にとって、英語の発音の中には、使ったことのない 音 がある。それはもちろん、英語を話す人にとっても同じで、彼らには、日本語の 音 で、出せないものもある。
例えば、日本語の、鼻濁音(私が、これが、などの が は、“ガ”=虫の蛾 の音ではなく、鼻に掛けて出す ガ である)を、彼らはなかなか出せない、同じ日本人でも、現代の言葉の乱れによって、アナウンサーでさえこの ガ は使っていない人が多いのは事実であるが。
龍(リュウ)も、発音がしづらい 音 らしい。だから、涼子(リョウコ)は、どんなに頑張って注意して発音しても、リヨコ(RI-YOKO)となる。
英語で、日本語にない音、R(日本語のラリルレロの場合、LとRの中間、どちらかと言うとLに近い音)がある。

Vも、正しい発音は、日本語にはないので、この3つ(L、R、V)はいつも日本人を悩ます。

スコットランドの場合、Rは、舌を回して(つまり、おんどりゃぁ!と舌を回す感じ)発音するので、LとRの発音の苦手な私でも、舌を回してRを発音すれば、違いははっきりする。

また、英語には、ストレス(調子、抑揚)がはっきりとある反面、日本語はそれがない。だから、日本人の英語(日本語英語)は、本来の英語の様(流れる様)にはいかない。

また、日本語は1つの文字に対して1つの音を出す為、口に出す時英語にはある、発音しない音 というものもない。例えば、CASTLE(キャッスル)= この場合Tの音は発音しない、
THUMB(サム)= Bの音は発音しない

また、文章では、日本語でははっきり一言一言、一文字一文字発音するのに比べて、英語では、単語と単語、その前後の音(後の単語が母音で始まる時)をつなげて話す。例えば、HE IS AN AMERICAN ACTOR を聞いてみるとヒーズアナメーリカナークター という風に聞こえる。だから、英語の漫画や本を読んでみると、その音が活字になっていて、スヌーピーのライナスの吹き出しでは、WHAT DID YOU MEAN?を WHADDYA MEAN?と書いてあったりする。

ある営業マンの話...

彼は、電話でヨーロッパのお客さんとの対応に日々追われていた。ミーティングを頻回に開いては、それを顧客に説得したり、ナゴシエーションしたり、日常会話なら得意、という私などには、知らない英単語を山ほど知っていた。しかも、電話で相手の顔を見ずに英語で話す、その強さと努力には、とにかく頭が下がったものだ。ただ1つ、どうしても私が、聞く度に笑いをこらえなければならないことが、あったのだ。それを、その営業マンに伝えるべきか、どうか、かなり迷ったが、最終的に遠回しに教えることが出来た。

それは、彼が電話口で頻繁に使う AGREE アグリー(賛成する)の発音にあった。
AGREE は、アグリー の リー の部分にストレス(強調する)がかかる。
だが、彼はいつも ア の部分にストレスをかけて発音していた。
更に、R の発音が L の発音と同じである為、電話口で聞いている顧客にとっては彼が AGREE ではなく、UGLY(醜い)の方に聞こえるのだ。この ア A と ア U の発音自体が違うのではあるが、それに気が付くよりも、そのストレスのかかる部分、L と R の音によって識別される方が大きい為、UGLY の U を ア と発音していても結局は、一番その発音された単語に近いのは、UGLY となってしまう。

彼は、電話口で“ XX-SAN(日本の社長のこと),AGREE ”=“ XX社長は賛成です”と言っているのに電話で聞いている顧客には、“ XX-SAN,UGLY ”=“ XXさん、醜い”と伝わっている。幸いなことに、顧客は、彼との長年の会話の中から、彼の言わんとしていることを理解している為決して、彼が毎回電話で、XX社長は醜い と連発していたとは思っていないようだった。それでも、同じオフィスで彼の電話の会話を聞いている現地の人は、いつも 歯痒い 思いをしていた様だ。
by yayoitt | 2005-04-09 06:07 | English | Comments(0)