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クリスマス in Dundee その2
ワインと、宝くじと、日本の両親からの大きなユリの花束を抱え、家の前まで来ると、例年通りの仕掛けへ。

はい、去年もやりました。

去年は雪が降っていたけど今年は青空の凍みるイブ、花束をそっと玄関の扉の前に置き、ベルを鳴らしてそそくさと裏口から中へ。

中に入ると、夕食の準備をおっかさんの監視の下で始めていたおっとさんが玄関の扉を開けるところ...

笑いながら花びらを抱えて中へ入りながら、“今、日本から飛行機でお客さんが来てこれを置いて行った”と。
クリスマス in Dundee その2_c0027188_6295653.jpg


はい、去年もやりました、同じ手で。

こちらのクリスマスはちょうど日本の新年のようなもので、家族が集まり、親戚や1年に1回くらいしか会わないような友人が家々を巡って挨拶をする。

マイケルが子供の頃は、それこそどの家も玄関を開け放ち、料理を準備して、親類や友人、知人、そして友人の友人などが家を次から次へと廻るのを喜んで振る舞ったらしい。

今ではそんな風習も、殆ど残ってはいないようである...。

そう思うと、私の故郷も祭りの時がそうで、どの家も料理を沢山準備して、家族の誰も知らない人が知らないうちに酒を飲んで酔っ払って楽しんで行くということが普通であったりする。

玄関は開け放たれているから、誰が入ってきても良いし、家族は喜んで“いらっしゃいいらっしゃい”と中に呼び入れ振る舞う。

そんな平和な故郷が、ここでクリスマスを過すとあちらこちらで何度となく蘇ってくる。

おっとさんおっかさんの居間に飾られたクリスマスツリーの下にはいつも通り、山ほどのクリスマスプレゼントが置かれていた。

明日、クリスマスの朝に、家族が集まってこれを開けるのであるから、子供にとってのクリスマスの喜びとは、それは大きなものであるに違いない。

その夜、夕食を済ますと、マイケルはイギリスに住んでいるダンディー出身の友人が帰って来ているので、彼らに会いにパブへ出掛けた。

私はおっとさんおっかさんとテレビを見たりして過ごした。

おっかさんは8時半にもなると、ケアラー(看護助士さんのような人)が来て、簡単な入浴やベッドに行く準備、ベッドに上がってからマッサージに来てくれるので、9時半には薬を飲んでもう眠ってしまう。

おっかさんがベッドに横になり、おっとさんに選んでもらったクラシカルミュージックを聞きながらウトウトし出すと、私はおやすみのキスをしに行く。

そうしていると、マイケルが、一緒に飲んでいた友人の1人を連れて帰って来た。

彼は、マイケルと同じエジンバラでの大学生活を共にした友人でもあるので、私も何度も会って良く知っている。

最近、彼の転勤が決まった時、転勤先に一緒に行きたくないという奥さんと、それが理由で離婚したばかりの彼...多分、それだけが理由ではないだろうが、離婚後初めて会った彼は、とっても若々しく見えた...何故だろう...。

しばらく、おっとさんとマイケルとマーティン(友人)の3人が話に花を咲かせ、ふと気が付くともう11時20分...クリスマスまであと40分である。

私とマイケルは無宗教である(しかも、マイケルが教会に行くなどと聞いたら、大抵の彼を知る人は尻餅をつくくらいの現実主義者である)が、教会でのクリスマスの夜の礼拝だけは、何故かとても好きで必ず行くようにしている。

実は、私は “寒い” とか “眠い” とか言って余り行きたがらなくても、彼が “行こう、行こう” と言うくらい好きらしいのだ。

マイケルの、子供の頃のクリスマスの思い出は、それはとてもあったかくて楽しいものだったに違いない、としみじみ思う。

...という訳で、“俺は行かない” と言ってたマーティンも何故か一緒に、3人で通りの端にあるカソリック教会へ...。

ノーマンは、尊敬するおっとさんのスリッパのもとで眠っていた。

               その3に続く
by yayoitt | 2005-12-26 06:01 | 英国暮らしって...
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