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ロリーが残したもの
エージンバラとグラスゴーの間に、リヴィンストンという街がある。

私の勤める会社は、このリヴィンストンにあるが、以前は炭鉱で栄え、現在は工場地帯の部分と住宅街が広がりつつあるアップマーケットな街である。以前から、変質者が出没した話や、もう何年も前にバス停で待っていた若い女性が失踪してそのまま未解決だったりということもあり、私の中では、何となく怖い街、の印象がある。

先週の木曜日の朝、夏休みが終わって登校し始めた子供達の中の一人が、行方不明になった。

朝の8時半前に、11歳の男の子 ロリー (153cm)が、学校の250m手前の歩道で、母親の車を降りた。その7時間後の夕方4時前に、迎えに来たロリーのおじいさんが初めて、ロリーは今日登校しなかった、という事実を聞かされて驚く。それから大掛かりな、警察と街の住民による捜索が始まったが、日曜日の朝に、ロリーが車を降りて歩き始めた歩道の脇の草むらから、ロリーの死体が見つかった。死因は、窒息死、服は脱がされておらず、乱れも無い、無くなったのは彼の学校かばん、死体の上にはテントがかぶせてあった。

最初、彼の死体が見つかったと聞いた時に、すぐに性的虐待を受けての殺人かと誰もが思った。

子供を狙った性的虐待、レイプ、それを収録してヴィデオを作って売るなどといった犯罪がとても多い。狙われる子供は、性別関係なく、生後数ヶ月の赤ん坊もいるくらいで、お金の為に母親が自分の乳飲み子を組織に貸し出すケースもあるくらいだ。有名な話では、いろんな国で、キリスト教会の司教が、仕える子供達を長期に渡って犯していた話などが有名である。

今回のこの事件も、きっと性的暴力の末の殺人ではないだろうか?と気分を悪くして見守っていた。そして、死因がはっきりした、窒息死...服の乱れも無いという、11歳の子供を、何故に殺さなければならなかったか?しかも殺し方が、絞殺とか刃物を使ったわけでもなく、窒息(多分上から何かを覆っての窒息死)というのが、1つ腑に落ちないところである。

やっこディテクティブが考えるには、顔見知りの犯行 ... 何故なら、顔見知りは、相手の死んでいく顔を見たくないので、枕などで顔を覆う窒息死を選ぶことが多いから。

毎日のようにヘッドラインでこの事件に付いては報告を聞くが、いまだに犯人がどこかこの辺りを平然と歩き回っていると思うと吐き気と嫌悪が襲う。彼の死体が見つかった草むらは、多くの花束やテディーベア、そして手紙やカードが覆い、親に手を引かれて泣きながら訪れる子供達が毎日沢山いる。ロリーは、両親が離婚をしたばかりという家庭環境と、学校で苛められたという話、そして前学期で仲の良い子供が学校を去ったということもあり、学校に行きたくなかったらしい。母親の車を降りて、学校とは別の方向へ向う彼を目撃した人が出てきている。

理由は何であれ、とにかく、犯人が早く捕まりますように...。

そして、学校が、それまで義務としていなかった“子供が連絡無しに休んだ場合は親に連絡する”、これはしっかり行なって欲しい。もしも、学校が9時の時点で親に警告をあげていたら、ロリーは、死ななくて済んだかもしれない。新しくどんどん大きくなる街に、大きな石が投げかけられ、その波紋は広がるばかりである。
ロリーが残したもの  _c0027188_2195849.jpg

by yayoitt | 2005-08-25 02:17 | 英国暮らしって...
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