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12月6日を待つ女達
12月6日? 一体、何の日だっけ?そう、ほとんどの人にとっては、普通の日である。
しかし、ある女性達にとって、それは、待ちに待った、大切な日であるのだ。大袈裟に言ってみたが、実に、待ち遠しい日であることは確か。さぁ、何があるのであろうか…?
以前にも一度、この日記でご紹介したが、例の、ブーツである。
Dr.Martens 、この秋の新作のブーツが3種類、9月に売り出された。
3種類のブーツは、ヒールがなく、とてもかわいらしく、セクシーと言うよりは、女の子っぽいもの。その新作の売り出しと共に、1種類は、一ヵ月後に完売、10月末には、英国中のお店でも完売してしまった。私の店で、このブーツを売り出したのは、10月に入ってから。ショーウィンドウに並んだ途端(とたん)に、若い女性客が殺到し、ストックしてあったブーツは、すぐに売切れてしまった。うちの店と取引するDr.Martens 担当の男性が、9月終わりに、ブーツのサンプル(右足だけの物)を持って店に訪れた時、私は、その3種類のうちの1つに、一目惚れしてしまった。ラッキーなことに、彼が、私に好きなペアーを一足くれる、と言うので、私は、3A63という形の、色はホーニー(茶色)という名の物をお願いした。最初の配達で、私のサイズのそのブーツは、一度私の手に入ったものの、余りに、お客さんの注文が多く、店のマネージャーが、私のブーツも売ってしまったのだ。私は、一度、そのブーツを手に入れたと確信していながら、失ってしまったことに、夢まで見るくらい、落胆してしまったのだが、マネージャーが、次のオーダーで、私のブーツも頼むから、と言ってくれたので、じっと、我慢することにした。次の配達は、英国中のお店からの注文に追いつかずに、結局、取り消しとなってしまった。英国で完売、というニュースを聞いて、もう手に入らないと、絶望した。その数週間後、マネージャーのところに、Dr.Martens の担当の男性からファックスが届いた。
何と、彼が、このブーツを海外から、何足か輸入に成功したということ。赤、茶、黒の、サイズは4から7まで数足ずつ、うちの店に仕入れてくれることになった。このブーツが、12月の6日に、うちの店に届くのだ。この1月半(ひとつきはん)、この限られた数の色とサイズの紙を壁に貼り、お客さんが欲しいと言えば、前金を置いて、予約することが出来るようにした。
店には、右足のサイズ4(22.5-23.0)しか置いてなく、試着も出来ないのに、女性達は、わんさかと、£5、£10、£20、または、全額支払い、ブーツを予約する。その都度、壁に貼られた紙の、数を減らして行き、今では、ほとんど、残りがないくらいなのだ。私が一目惚れした、そのブーツ(その色)が一番人気で、次に、赤、黒、と残り数も増えている。私は、絶望した日から立ち直り、それでも、もう自分の手元にはこのブーツはやってこないものと、あきらめていたある日、マネージャーが私に言った。“今度の配達で、やっこのも来るから。”
イヤッホーィ!!どうやら、マネージャーは忘れかけていたようだが、Dr.Martens の担当の男性が、マネージャーに念を押し、私に、一足あげるように、と言ってくれたらしいのだ。
さすが、男の人は、優しい♪今度、彼が店に来たら、ありがとうのチョコレートをあげよう♪
私も随分、調子がいい、でも、本当に、嬉しい。マドンナの歌ではないが、正直、私は、MATERIAL GIRL(マテリアルガール)物質的なもので左右される女。
このブーツの予約数は、既に、40足を軽く超えている。10月から、お金を払って、3ヶ月も待っている女性もいる。毎週、まだか、まだか、と店に確認に来る女性もいる。12月6日、と言ったにもかかわらず、本当に手に入るのか?と電話してくる女性もいる。このブーツの問い合わせを受ける度に、私は心の中で、つぶやいている。“フンッ。私は、今度こそ、絶対に、手に入れてやる!”
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by yayoitt | 2004-12-01 22:46 | やっこのファッション
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