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やっことマイケル、ウェディングに出席する 2
日本にいた時は、自分が着物で披露宴に出席すれば、一体どれくらい着物の女性が他にいるかが気になったものだ。

こちらに来てから出るウェディングでは、キルトが何人いるかが、いつもとっても気になる。特に、スコットランドではない、イギリスなどでの結婚式だと、キルトの男性はきっとマイノリティーなので、マイケルがいかに目立てるかに関わってくるから。キルトを着ていると、一緒にいる女性のドレスを誉めるよりも先に、男性のキルト姿を皆が褒めちぎる。

マイケルは、結構、これが好きらしい…。

彼は、母親側のタータンであるこのキルトと、2人で絶対にこっちの方がいいと言って選んだジャコバイツシャツがとってもお気に入りで、キルトを着る機会が待ち遠しくってたまらないのだ。
いくら、日本人の私や友人が、“マイケルのシャツは、絶対にアルプスのハイジみたいだぁ”と笑っていても彼は気にしない。ま、私も実はこのシャツが大好きで、いつも彼が自分で着た後に、襟を立てたり、結んであった胸の紐をわざと解いておくのは私である…絶対にこの方がセクシーだと思うから。

今回のキルトは全部で4人、3人のスコットランド人に、1人のカナダ人…このカナダ人の彼は全くスコットランドと関係はないが好きだから、という理由でキルトを身に付けているのだそうだが、マイケルや他のスコットランド人にとっては、充分に影でそれを話題に出来、本人に向かっても尋問できる“問題”である。

その日宿泊させてもらう家で着替えを済ませ、新郎のSの家に戻ってから、私は教会へ皆で出発するまでのしばらくを、新婦の部屋で、ブライドメイドのRちゃんと、日本からわざわざスコットランド人の彼とやって来たNちゃんと過ごした。Rちゃんは、既にブライドメイド用のセクシーなドレスに身を包んで、友人のNちゃんは、何と、浴衣を自分で着こなして座っていた。

……みんな、かわいい…。

主役のブライドの、Yちゃんだけが、まだドレスに袖を通さずにいたが、お喋りに花を咲かせている間に、皆で手伝って着ようということになった。彼女の、義理のお母さんが着て、そしてその娘が着て、今日、息子のお嫁のYちゃんが着る、そのドレスは、現しようがないくらい豪華で素敵でセクシーで、本当にYちゃんによく似合った。彼女がドレスを着終わる頃に、私と浴衣のNちゃんは部屋を出て、マイケルとNちゃんの彼のCさんと共に、式のある丘の上の教会へ向かった。

教会に着くと、ベストマン(=新郎の一番の親友、または兄弟でも良い、で、その日一日の新郎の世話や、式から披露宴まで何かと招待客の面倒をも見てくれる、大役…これは一人だけ)が席に案内してくれた。

こちらの結婚式や披露宴では、女性が、帽子をかぶるというのが伝統であるのであるが、この式場にも幾つかその帽子が見られた。私とマイケルが、毎回、結婚式に出席すると必ず楽しみにしてやることがあるのだが、それが、“SILLIEST HAT COMPETITION”といって、一番可笑しい帽子をどれか大会なのである。静まっている教会で、2人で周りを見回して小声でつぶやく…

やっこ “あの、新郎側の席の、前から3番目、ピンクに魚の網みたいなのが垂れ下がってるやつ、あれはぁひどい!”

マイケル “僕は、その斜め後ろのばあさんの、斜めに頭にへばりついているウンコみたいな形の帽子!絶対に、あれ!”

2人して肩を揺らして笑うのだ。

そんな風に大笑いして数分経った頃、それまでオルガンで色んな曲を弾いていたのが、急に聞き覚えのある♪ジャンジャジャジャーン♪に変わった。それを合図に、皆が立ち上がり、教会の中央に向いて、まずはご家族が、それから新婦と新郎、ベストマンとブライドメイドが入ってくるのをカメラを持って迎えた。夏の午後の日差しが教会の入り口から差込み、そこから入ってくるYちゃんとS、とっても綺麗だったし素敵だった、童話の中から現れたみたいだった…。
私は口をポカ~ンと開けたまま、ず~っと2人の姿に見入っていた。式が終わると、皆が教会の外に出て、新婦と新郎を囲んだり、色んな角度で色んな人達との写真撮影会である。これは通常、1時間にも及ぶのだが、とにかく様々な写真が撮られるらしいのだ…教会をバックに、ケルト模様のお墓をバックに、サリーの広大な景色をバックに、既に酔っ払っていそうな新郎の友人と共に、既にキルトの中身について比べあっているスコットランド人だけで…。

これから家に戻って、広大なお庭に建てられたテントの中での披露宴の話は、3に、続く
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by yayoitt | 2005-07-25 20:56 | 英国暮らしって...
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