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国際結婚、恋愛のすすめ (6)結婚
98年、秋から京都で暮らし始めた私とマイケル。

その冬のクリスマスに、婚姻届を出そうと、区役所へと自転車で赴いたが、提出書類が足りずにまた自転車で車の間をすり抜けながら、間抜けな気がしながら帰って行った。

1ヶ月も遅れて無事に結婚を認められ、事実上の夫婦に。

それまでは、“一緒にいられれば別に結婚はする気はない2人”だったのだが、結婚した方が今後の色んな面でメリットがある。一番のメリットは相手国でのビザと仕事、紙切れ一枚の違いで大きな違いが出てくるのだ、それを相談に行った弁護士に教えられて、“え?結婚、してみる?するする?え?”といった感じであった。

それでも何となくお互い、その結婚という事実が嬉しくて、マイケルなど結婚受領書を受け取った日には玄関まで来ると、私を両腕で抱えてアパートの玄関から入ってくれた。本当はそのまま花嫁をベッドに連れて行くと素敵なのだが、畳の居間にバスン!と下ろして、腰をさするから笑い転げ、ムードのムの字もなかった。

スコットランドの両親や姉に早速に連絡をすると、数日後、大きな花束がアパートに届いた。
そこには“YAKKO,WELCOME TO TRUELA○○”とメモが挟まっていた。
TRUELA○○ は、マイケルの名字である、おっとさんとおっかさんからだった。
とっても嬉しかった、私達、結婚したんだ…と思うと同時に、急にマイケルとの今までの距離とは違う不思議な近い距離を感じた。

ちなみに、この結婚話を決めた時に、週末で飛騨の両親にこの旨を報告に出掛けた時の話。

夕食を終えて、両親はコタツのある居間で横になってテレビを見始めていた。食事時に、妙に緊張してしまいタイミングを失った私は、今こそ両親に話す時!と、マイケルと2人の前にぎこちなく座り直した。

父…マイケルと、普段は殆ど飲まないウイスキーを飲み、真っ赤な顔でテレビを見ているが、目は開いていない。

母…テレビのドラマに“ふんふん、ほ~、そうやなぁ”などと独りで話し掛けたりしている。

マイケルが、こ~んな自分の両親の前で緊張している私を、からかって隣で突っつき始めた。そこで思い切って、切り出した。殆ど開かなくなった両目をしょぼしょぼさせながら聞く父、ドラマから顔は向けているが口は開きっぱなしで耳もドラマに向いたままの母。私が今回の帰郷の理由を“結婚するつもりで、その報告”と話すと、父は横になったまま、母は口を開けたまま、目だけぱちぱちさせたかと思うと…

同時に “うそ やろ” と言った。

仕方がないので“うそ じゃない” と答えた。

そしてマイケルに、嘘 を英語で訳して伝えると、マイケルが大笑いしだし、それにつられて、私も、それまで半分夢の世界にいた父も、ドラマの世界にいた母も、笑った。そして、“そうかぁ、そうかぁ”を百回くらい2人は呟き、時々“嬉しいなぁ、そっかぁ”とか“思いもしんかったなぁ、そっかぁ”などと言っては、ごそごそごそごそ、その辺りを動いていた。

はい、嘘じゃ、ありません。
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by yayoitt | 2005-07-19 18:12 | 国際結婚って...
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