携帯電話のマナーに関しては、色々と考えさせられる。

他人の、ある意味プライベートな話を聞くのは嫌だ。

聞かされるのは、嫌なものだ。

バスの中での携帯電話での会話って、聞く側に色々な思いを抱かせる。

私は、バスの中での携帯電話での会話が嫌いだ。

聞くのが嫌いだから、もしもバスの中で携帯が鳴っても応答はしない。

今日の夕方、バスの中での携帯電話の会話のことで興味深いことがあった。

そして、感じさせられ、考えさせられた。

　仕事帰りのバスの中　…

　私が乗った時　…

　1人の男性（英語圏の人ではない）が英語で喋っていた

　バスの中全体に響く会話の相手は、多分、奥さん（パートナー）

　相手の女性の声も漏れて聞こえていた

　耳を傾けなくても聞こえてくる会話から　…

　彼は単身赴任（みたいな感じ）でエジンバラに仕事で引っ越したばかり

　彼は、その仕事の話や会社の様子を彼女に説明していた

　会社の中にあるカフェが、とても凄いのだと何度も説明している

　正直、私は　…

　　うるさいなぁ～　そんな大事な話でなければ、家に帰ってしろよ～

　と心の中で溜め息を吐いていた

　と、同じように、私のすぐ後ろの席の男性が、大きな溜め息をした

　彼は、何度も溜め息をしている

　　あぁ～　この人も　イラっっ　て来てるんやなぁ

　と思っていたが、アクセントの強い、けれど流暢な英語で会話は続き　…

　バスの中、みなが、この男性の会社の話、仕事の内容、知ってしまう

　そんな状況だった

　そうして、ようやく　…

　　うん　じゃぁね　バ～イ

　と会話が終わるのを聞いて、私は　ほーっ　とした

　男性が携帯電話の会話を終えたのと同時に、私の背後の男性が立ち上がる

　そして彼は、今、まさに携帯を背広のポケットにしまった男性の横に座った

　　あぁ～　文句を言うんだろうなぁ　あ～あ

　と、かなり興味をひかれて耳を澄ましていたら　…

　聞こえてきた

　　あなた　△〇ジムに行きたいんなら、このバスで最終まで行くと良いよ

　　あと、22番に乗って、■●ビルに行って、最上階で月割引の会員券を

　携帯の男性が、驚いている感じがわかる

　　本当は、あなたが会話している時に伝えたかったんだけど　…

そう　…。

私の背後で、何度も大きな溜め息を吐いていた男性は　…

エジンバラのことをまだ知らない男性の会話を聞いて、教えたかったのだ。

きっと、私がバスに乗る前に、男性は△〇ジムのことを話していたのだ。

そして、それを教えたくて、むずむずしていたのだろう。

会話が終わって、やっとで、彼にそれを伝えることができた　…。

本当は、その時に、伝えたかったのだけれど　…。

だから、溜め息をしてたんだ。

　うるさいなぁ　

と眉間に皺を寄せていた私は、思いがけぬ光景に遭遇して驚いていた。

そして、自身を恥じていた。

心が、あっつくなるのを感じながら　…。