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救われた犬の、願いと祈り …
 
 以前、わたしは孤独な犬だった

 ただ、家を探していた

 何処にも行くところがなく

 誰も、わたしを呼ぶ者はなかった

 通りを、彷徨(さまよ)って上ったり下ったり

 雨の中、灼熱の中、雪の中

 何でも見つけたものを、わたしは食べていた

 食べ物を探し続けて、いつでも彷徨っていた

 皮膚は痒み、足は痛み

 身体はどこもかしこも痛んでいた

 そして、誰一人として

 わたしを撫でる者はいなかった

 誰一人として、優しくわたしの名前を呼ぶ者はいなかった

 わたしは、愛情に満ちた眼差しを見たことがなかった

 わたしはいつも、逃げていた

 わたしを痛めつける人々は、それを 愉快なこと と思っていた

 そして …

 ある日、わたしは声を聞いた

 温かくて、優しく、愛情に満ちた、その声

 その腕は柔らかく、私の身体に下ろされて、触れた

 そして、私を地面から抱え上げた

  " もう誰も、あなたのことを傷付けたりしないからね "

 私の耳元で、囁(ささや)いた

 " あなたは、恐怖を感じる必要のない、あなたの家を持てるからね "

  " 身体は乾いたままで、温かくて、充分に食べるものがあって …

  あなたが眠るときには、誰にも邪魔されはしない …

  あなたの見る夢が、とても素敵なものである、家を
 "

 わたしは、正直、怖かった

 わたしは、あまりに長い間を、恐怖の中で生きてきた

 わたしが最後に、人間を、こんなにも近寄らせたのは何時のことだったろう

 そして彼女は、わたしの傷たちを優しく手当てし

 わたしの身体を洗い、毛にブラシを入れてくれた

 彼女はわたしに、レスキューグループのことを話してくれた

 そのグループが、彼女にとってどんな意味を持つのかを

 彼女は言った

  " 私たちは、ひとつの円なの

  その線には、終わりがないの

  そして円の真ん中には、あなたがいるの

  新しい友たちによって守られているの
 "

  " そして、あなたたちの周りには、その収容所を管理する人々がいるの

  そして、あなたたちが見つけられた後、家を分け与える人たちがいるの

  そして、その他の人々は、近い所から遠い所まで、いつも探しているの

  あなたたちが、キラキラ光る星でいられる最適な家をね
 "

 彼女は言った

 " そこには、じっと待ち続けている家族がいるのよ

  近い将来に、私たちは、あなたの為の、その家族を見つけるのよ

  あなたは、ただ、待っててくれれば良いのよ
 "

  " そして、それから、彼ら(家族)は、私たちの円に加わるの

  その円を、大きくする為に、手伝ってくれるのよ

  そうしたら …

  あなたのように、何処にも行く当てのない犬に与えられるスペースが膨らむの
 "

 わたしは、とても我慢強く待った

 その日々の間、彼らは、やって来ては通り去って行った

 今日こそがその日だ とわたしは思った

 私の家族が送られてくる日だと

 そして …

 わたしが そんなことは、起こらないのかも知れない と思い始めた頃

 そこに、その人々は立っていた

 ただじっと、私のことを見下ろしていた

 わたしは、逸(はや)る鼓動の中で、それを知った

 彼らも、同じように感じていることを

 彼らは言った

 " 私たちは、あなたのような特別な犬と巡り合えるのを待っていたのよ "

 今 …

 毎晩、夜になると、心から思う

  " わたしが生きている命を、ありがとう …

  そして、あなたが、わたしに与えてくれる全てを、どうもありがとう

  どうか … どうか …

  収容所にいる全ての犬たちと、道端に暮らす全ての犬たちが

  どうか、守られますように …

  そして、どうか …

  レスキューグループから誰かを、送ってくれますように

  その、冷たく濡れた身体を、固い地面から抱き上げてくれますように …
 "



(作者 : Arlene Pace)
救われた犬の、願いと祈り …_c0027188_5274652.jpg

 英文を、私なりに訳させて頂きました
by yayoitt | 2013-02-24 03:50 | 保健所の動物のこと
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