ICELAND “マリモ と ウンコ”
突拍子もない題名になってしまいましたが、これが実は、深い関わりがあるのです。

AKUREYRI アクレイリから、本当は、レンタカーでもう少し東側を廻るつもりだったのだが、いざ、車を借りようという日になって、“Having Cold Feet”=土壇場になって怖くなってしまうこと、になってしまった。通りに止まっている車の中を覗きこむと、左側ハンドルで、ギヤは右手で操作する、その上!!ブレーキとアクセルまで左右反対であることに気が付いたのだ。絶対に、急ブレーキで、アクセルを全開してしまう…と冷や汗が出てきて、マイケルに泣きそうになりながら訴えたのだ。

“マイケル~、私、やっぱ、運転する自信がね~よ~。アクセルとブレーキ、踏み違えるよ~”

これにはマイケルの顔も、蒼くなり、ペーパードライヴァーの彼が“じゃぁ、俺が!”と言うはずはなく、がっくり肩を下げ、私は、自責の念と、昨日までマイケルに期待させていた申し訳のない気持とが一杯で、トボトボと、ツオーリストインフォメーションへ向かった。

そこで、どのツアーのパンフレットを見ても、シーズンの6月からとなっている。そうなると、車を借りない限り、私達はどこにも行けず、この小さな街で、サラダとスープを朝から晩まで飲んで過すのか~??そこで、インフォメーションの、剥げ頭の背の高いおじさんに聞いてみた。
“本当は車を借りるつもりだったんだけど、右側運転したことないし急に怖くなって、何とか MYVATN(ミバテン)まで行けないだろうか?”

MYVATN(ミバテン)とは、車で1時間くらいのところにある、大きな湖で、周囲を最も活発な火山帯に囲まれており、マイケルが絶対に見たがっていた、溶岩が不気味な形に固まって出来た岩々の広がるDIMMBORGIR ディムボールガー もあるのだ。

そしたらおじさん、凄く優しく、車を運転するのが怖いことを理解してくれて、こう言った。“それなら、明日の朝8時半に出る、ツアーがあるよ。本当は6月からなんだけど、それ以前でも、希望者があれば随時出発するんだよ、たまたま明日はツアーが出るんだ”

マイケルと私、涙がジョジョギレルぐらいに喜んだ。やった~!ツア~が出るぞ!やった~!車の運転、しなくてすむぞ~!!早速、そこで2人分予約をして、おじさんにまんっべんの笑顔で“タックフィリル”=ありがとうの意 と言い、ホテルまで踊るようにして帰った。

翌日、昨日のインフォメーションの前で待っていると、小型のバスが到着、ツアーの参加者は、オランダ人の息子(50くらい)とお父さんの、4人だった。“あんたが予約してくれたお陰だよ~。このツアーが出発するのも…”いい親子だった。後で聞いたが、なんと、お父さんは85歳だったらしいが、とてもそうは見えない、よくニコニコ笑う英語の上手なおじいちゃんだった。

* やっこの豆知識 * オランダ人は、多分、ヨーロッパの中でどこ他の国よりも、国民全体が英語が上手く話せる。理由は良くはわからないが…

* やっこの豆知識 * オランダ の国名は英語で、The Netherland ネザーランド。意味は、平らな国、そう、オランダには山とか丘が全くない。

ツアーバスが北東に向かって出発、ドライヴァーがガイド、最初に止まったのはMYVATN(ミバテン)の近くのお店だった。そこに行くまでに、ドライヴァーが興味深い話をしてくれた。

“この湖には、世界で日本の阿寒湖とここにしか生息しない生き物がいる。日本語ではマリモと呼ばれている。”

マリモだ!!

そのお店の中に、ドライヴァーが私達4人を案内し、大きな水槽の前に連れて行ってくれた。そして、おもむろに長袖の袖をまくると右手を水槽の中に突っ込み、中から 今まで見たこともない巨大なマリモをつかみ出した。マリモは、彼の大きな手よりもはみ出すくらいの大きさで、彼は続けてこう説明した。

“日本では、この毬藻(マリモ)の中に、神様が住んでいると言うらしい。”

…初耳だった。

マイケルが、私を日本人だと説明した後に続き尋ねた“アイスランド語では、この毬藻を何て呼ぶの?” するとドライヴァーは、笑いながら私の方をちらりと一瞥してから英語で、“Shit Ball”と呼ぶと言った。

Shit Ball とは、ウンコボール という意味だ。

“何故ならば、アイスランドでは、何か必要のない物、欲しくない物を、ウンコと呼ぶのだが、このマリモがよく、湖での魚を釣っていると網に引っかかる、それで釣り人が、ウンコ と呼ぶ、だから、ウンコボール なんだ”と説明してくれた。

皆が、苦笑した。

ある所では、マリモは神聖な物、神様さえ中にいると慕われているのに、ある所では、ウンコ扱いなのである。思いがけぬ場所で出会えた、このウンコボール、いや、毬藻(マリモ)で、昔に行った北海道の阿寒湖を思い出すなんて、想像もしなかった。私は、バスに戻ると北海道や日本を思い出し、お土産で家に買ってきた毬藻の入った小瓶のキーホルダーが、茶の間の電気の線に、長いこと結ばれて揺れていたことなど、思い出していた。

マイケルは隣で“ウンコボール!!”と愉快そうにいつまでも笑っていた。

写真は、小さな北の街、AKUREYRI アクレイリ の街並み。左に立つのはマイケル。この日は朝から雪だった。
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by yayoitt | 2005-05-26 02:41 | アイスランド旅行記 | Comments(8)
Commented by きび at 2005-05-26 08:17 x
そんなぁ~~(@_@;)ウンコボールだなんて、ミートボールみたいな名前。あたしの実家は阿寒湖から車で1時間くらいのとこだよ。
マリモと聞いて、アイスランドにも?と思ったら、やっぱりそうだったのねぇ
Commented by luvjasjas at 2005-05-27 11:36
あはは、SHIT Ball 笑える。。。

そういや毬藻って木彫りの熊の置物のように昔ポピュラーなお土産だったのねえ。
そして幸福駅?とかなんかの切符も有難がられたアイテムでした。
時代は変わったんだなあとじっかん。
今欲しがらないもんね、切符。
Commented by aya at 2005-05-27 21:09 x
遅れましたが・・・やっこさん、おかえりなさーい(^0^)
温泉、想像を超えてましたー!スゴイ!こんな温泉入ってみたい!
景色もきれいだし、町並みも色がすごく可愛らしい!
けど・・・ウンコボール(笑)
Commented by やっこ at 2005-05-27 21:45 x
そうなんだな~、aya ちゃん、ウンコボール…一方では神様が宿っているって言うのになぁ…文化の違い、生活の違い、価値観の違いって、おもしろいね。街並みがすっごくさっぱりしてて綺麗なの。トタン屋根ばっかなのに、かわいい色が塗ってあるから、かわいらしい。
Commented by やっこ at 2005-05-27 21:47 x
ほんと、ミートボールだね~(笑)。きびちゃん、そんなに阿寒湖から近かったんだぁ…世界でここの2つの湖だけに生息するらしいよ。ガイドブックにもそう書いてあった。遠い日本と、遠いアイスランドで、意外なつながり、っておもしろいよね。
Commented by やっこ at 2005-05-27 21:50 x
ma-yaさん、でしょうでしょう??シットだからねェ、シット!シットボール!うんち、って言うより、クソって感じでしょ??うん、幸福駅の切符ってあったあった。お互いに持っておくんだよね…。そう言えば、こういうロマンチックなことも、時代と世代の移り変わりで変わって行くもんだよね~。ちょっと寂しい。
Commented by maisy★ at 2005-05-27 21:52 x
私のおじいちゃんは阿寒町に住んでいて、私が小さいころは毎年遊びに行ってたんですよ。マリモは毎年のように見ていたけど、そんな貴重なものとは知らなかった。貴重じゃないか・・・(ウンコボールですもんね)
Commented by やっこ at 2005-05-28 06:48 x
maisy★、そうなんだ~。阿寒町ってあったんだね、そんなことも知らなかった…ごめんね、おじいちゃん。そうだよ、貴重なんだよ、マリモ!例え、ウンコボールと呼ばれていようが、世界で2つの湖でしか見られないんだもんね…でも、ウンコボール…ふぅ~ん…
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