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サムが見た ミスターフロード、初めての笑顔
それは陽の長い夕刻の シャイアー
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サム は、仕事を早々と終えて、ホッと溜息をつきながらバスを待っていた。

バスの来る方角からは、まだ真上近くにある西日と共に、見覚えのある懐かしい姿が・・・。

 ミスターフロード ・・・。

サム は心の中で呟いた。

あの日、別れて姿を失ってからもう2ヶ月近く経った。

ずっとバスを待ちながら、ちょっとだけ ミスターフロード の姿も待っていた。

もしかしたら、フロード はこの近くにもういないのかも ・・・ そう諦めかけていたところだった。

 ミスターフロード ・・・。

前回は、バス停の囲いの外にあるベンチに座った フロード が、今日は サム の座るバス停のベンチに座った。
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サム は、鼓動が コトン と音を立てるのを知りながら、俯(うつむ)いた。

俯(うつむ)く瞬間に、フロード が サム の方を見た、気がした。

そして サム が顔を上げて、バスが来る方を伺いながら フロード の横顔を見る。

・・・ と、横顔を盗み見しようと思った サム の期待を裏切り、フロード は サム を見たのだ。

そして、サム に視線を据えたまま微笑んだ。

 ミ、ミ、ミ ・・・。

心の中で どもっている サム、なのに思い切った行動に出た。

 “ Hi ya ”

ミスターフロード に微笑み返しただけではなく、なんと、声を掛けたのだ!!!

フロード は微笑を笑いに変えて、“ Hi ” と応えた。

Hi と フロード様 の声が聞こえたらもう、サム に怖いものはなかった。

 “ とっても良い日になりましたね・・・。 ”

フロード の声が応えてくる。

 “ 今週末はもっとあったかくなるらしいよ、24度くらいまで ”

サム は驚いた表情を見せてから少し大袈裟に感嘆の声もあげた。

 “ このあったかさが、このままあと2ヶ月も続いてくれれば良いんだけどね・・・ ”

サム にとっては長い文章だったが、ここ最近よく使い慣らした表現だった為に つまずかすに一息で言った。

 “ そうそう。もう、オフィスの中にいると 外にいる人が羨ましくてたまらない。 ”

そういう フロード を見つめながら サム は心の中で叫んだ。

 今、ぼく達2人を見ている全ての人が、このサムを羨ましいと思うだろう~~~!

サム ちょっと いかれていた

嬉しくって調子に乗ってきた サム、聞かれてもいないのに 自分がそこで働いてて、やっぱり外には出られないから、窓から外を見ては通行人を羨ましいと思う、と長々喋った。

フロード は頷きながら、いつもと違うスーツの裾を手でつまんでヒラヒラさせながら言った。

 “ 冬だったら、家の中はあったかで ははは~建物の中の仕事で良かった って思うのに、今は外に出たくって ううう~~ って思うよね! ”

ミスターフロード は、少し抑揚すると 声が少しだけハスキーになるらしい。

そのアクセントから、サム は フロード様 が、アイルランドの方だろう、と思った。

そうしているうちに、微笑む フロード の背後を2台のバスが近付いてくるのが見えた。

最初のバスを見て、フロード が立ち上がり、その後ろに2人誰かが並んだ。

その後姿を サム は見送っていると、バスに乗る直前に フロード が振り向いた。

やっぱり微笑んでいた。
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サム が “ じゃ、またね ” と声を掛けると、フロード が少しだけ頷いて、ちょっと片手を挙げた。

その帰り、乗ったバスの中での サム といったら、それはそれは、微笑というよりはもう、笑いが止まらなくて大変だった。
by yayoitt | 2006-06-29 02:54 | ロードオブザ やっこ | Comments(26)
日本滞在紀 第十二章 やっこ、念願カラオケ
2年間待っていた!!

この瞬間を待っていた!!

大声で、思い切り、音楽にあわせて、歌う、カラオケ

大のカラオケ好きな私、看護婦時代は、夜勤明けに1人でカラオケボックスに入り、次から次へと曲を入れては、一番だけ歌ってみたりしたもの。

カラオケボックスのないこの国、CDやテープも余り持って来なかった。

毎朝、目覚めてパンツを よっこら とはく間に口から漏れる歌が、その日1日の歌になる。

そのまま、ノーマンを散歩に行くと、人通りのないところでは大きな声で歌う。

日本語で、しかも歌詞を覚えていないので適当に、歌う。

日本に帰る前には、朝の散歩中にいつも考えていた。

この歌、絶対に カラオケ で歌おう、あぁ、これも懐かしい、絶対に歌おう、おお、これどんな歌詞だったっけ、絶対 カラオケ で歌おう・・・。

日本滞在中に、結局は2回しか行かなかった カラオケ、1度目は元同僚2人と、そして帰国前々日に両親と真ん中の姉と4人で。

どちらも、飛騨高山にある同じカラオケボックスに行った。

元同僚2人は、いつも新しいお洒落な曲を知っていて歌うので、それに聞き惚れながら、“ ごめん!古いで! ” と謝りながら歌った。

それでも彼女達が おお~! っと驚く新しい曲も歌った。

 スマップ の Dear WOMAN  これは某女性に、日本帰国に向けて贈って頂いた曲だ。

他に歌った懐かしい曲は ・・・

 COCCO の 強く儚い者たち、 渡辺美里 の 恋したっていいじゃない
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 今井美樹 の 冬のマーケット、 うる星やつら の 主題歌 ラムのラブソング などなど
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3週間目、関空からの帰国の為 京都に行く前々日、74歳の父がタクシーの仕事を休んで、丸一日 家族で過す時間を作ってくれた。

母と、父と、真ん中の姉と4人で車で20分ほどの高山市に行き、幾つかお店を廻った。

お店では、いつもそうであるように、父が時間を持て余し、私と姉は 必死に 商品を見、傍らでやはり一生懸命に見ている母が、“ やっこ、これはどうや? これは嫌いか? ” と尋ねる。

その度、100発98中 で “ あ~、それは好きじゃないなぁ・・・ ” と私や姉は答えると、母はちょっともの悲しそうに首を傾げる。

ホテルのバイキングでお昼を食べると、時間を持て余した。
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父は、私の為に特別に何か、と思ってくれていたようだが、こうして以前のように普通の休日を4人で過せるのが一番と幸せな気がした。

私の案で、4人で カラオケ に行くことにした。

母が好んで歌うのは シャンソン で、越路吹雪
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愛の賛歌 や ろくでなし など歌い続ける。

時には、“ うっかり ” と言いながら2曲連続で入っていることもあるから、怪しい。

父は、“ 私バカよね~~♪ ” をこぶしを利かせて上手に歌うし、突如 およげタイヤキくん♪ の曲が聞こえたかと思うと父が歌いだす始末。

姉と私は、彼女が小学生の私とハモルため、必死に私を特訓した チャゲ&飛鳥 の 終章(エピローグ)や、ABBAカーペンターズ をハモッて歌った。

さすがに姉妹の声は似ているので ハモリ が ええ ♪♪

あっと言う間に数時間が経ち、夕暮れを北の町に向かい、帰って行った。

思い焦がれた カラオケ は、やっぱり 楽しかった!
by yayoitt | 2006-06-28 07:56 | 06 羽伸ばし日本旅行 | Comments(20)
仕事を辞めたいと思う瞬間
真っ白なふわふわのコートを着た その子は、Jambo ジャンボ

ジャーマンシェパードドッグ である。
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遺伝なのか、白い毛の犬特有なのか、ジャンボ はとっても皮膚が弱い。

最近は、お尻の周りが爛(ただ)れて、毛を剃って乾燥させようとしたが結局、皮膚が何重にも重なる部分の為にそれが不可能で、じくじくしたまま。

口腔内にも爛れができて、食事を楽しんで食べられなくなってしまった。

ジャンボ と8年も一緒に暮らしているご主人は、何度も何度も、出来る限りのことをしたいと願って、彼女を病院に連れて来た。

先週、その重なるお尻の皮膚を、ぴんと張る手術を計画し、今朝がその手術の予約日だった。

この手術は、他に薬や軟膏でもっての効果が得られない為の最終手段としてとられた策であった。

朝、予定では8時半から9時の間に ジャンボ を 私達に預ける予定であった ご主人 ・・・。

9時半に ジャンボ と窓口に現れたが、“ ブラウン先生に、話がしたい ” と一言。

今まで既に何度も、1日預かっては、色んなことを試されてきたが駄目だった ジャンボ

先週、毛を剃り直し軟膏を塗り続けたお尻は痛々しく爛れたまま、口の中の爛れも重なり 元気のない ジャンボ

私達は、すぐに ご主人が 何をブラウン先生と話したいのか見当が付いた。

度重なる治療、小さな手術、そしてそれが全て効果をなさず、保険も入っていない為に治療費だけが重なる ・・・。

窓口から見える ジャンボ

真っ白な綿毛の中で、舌を出してご主人を見つめては、物音に耳を澄まして玄関の戸口に向おうとしている。

 ・・・ 私は 今でも この瞬間が 大嫌いだ。

 ・・・ このまま 目を閉じて耳を伏せて、動物と主人の姿も見ない、声も聞こえない所に逃げたくなる。

 ・・・ でも それなのに いろんなことを想像してしまう。

 ・・・ 最後の夜を どんな 思いでご主人は 愛する動物と過したのだろうか。

 ・・・ 今朝 目覚めて ご主人は 何年もそうしてきたように 変わらずに おはようを言い 花の頭にキスをしたのだろうか。

 ・・・ 動物たちは ご主人の目を見つめて 何を思うのだろうか。

 ・・・ 本当は 何もかも 今からどこに行くのかも 知っているんではないだろうか。


毎日のように、何度も何度も繰り返して経験してきた 安楽死 ・・・。

頭の中ではそれが、動物に対する 優しい選択 であり、人間にとっては 悲しい選択 であることも知っている。

それなのに、どうしても泣かずにはいられないのだ。

いつも、その切ない寂しい昇天 を目の当たりにすると、いまだに この仕事を選んだことを深く後悔してしまう ・・・。

肩を震わせて、去って行ったご主人の涙が一杯落ちた ジャンボ の真っ白な綿帽子 ・・・。

まだあったかい ジャンボ を抱くと、周りが何にも見えなくなった。
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by yayoitt | 2006-06-27 03:05 | 動物病院での出来事、仕事 | Comments(26)
ワーキングウーマン 山あり谷あり
先日、日本から送られてきた一冊の新刊本。

在英ワーキングウーマン事情―わたしたちの英国暮らし

このブログにもよく来て下さる、石井理恵子さん が書かれた本だ。
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彼女とは以前に、猫びより という雑誌の取材で、一緒に犬猫ホームや動物病院などを廻った。

今回は、英国を彼女が廻って出会った、英国で働く日本人女性 15人の取材インタビュー をテーマにした本だ。

実は私もその中の一人として参加させて頂いているのである。

・・・ しかし、私の場合は 靴屋でお金を盗んだと疑われたり、全く珍道中に仕事を点々とし、そうして今の仕事に至ったので、何となく、コツコツと頑張っている他の女性の話を聞くと、穴があったら顔隠して尻隠さず状態になる ・・・。

英国の色んな場所で色んな経過を経て色んな仕事をしている女性達。

みんな、頑張っているなぁ~ ・・・、すぐに弱音を吐く自分を叱咤させる良い機会になった。

夢と現実の狭間で、一生懸命に生きる女性達 ・・・ そこにはとても素敵な本当のストーリーが一杯詰まっていた!
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           ノーマンと一緒に応接間で撮って貰った写真
by yayoitt | 2006-06-26 03:48 | 英国暮らしって... | Comments(29)
日本滞在紀 第十一章 飛騨でスコッツ3姉妹 別れ 
その夜は、いったい何時まで話していたんだろう?

夜更けだったことは確か、両親も寝静まってからだったから・・・。

とにかく あき姫 と Fiona嬢 到着の午後からずっと、私達は話し続けていた。

場所は、駅弁食べる家から瀬戸川、そして祭り広場、懐かしい小学校や忠霊塔、そしてまた家に移ってもずっとずっと・・・。

どうしてそんなに話すことがあるんだろう?

今思っても不思議だが、何を見ても何を食べても私達は笑い、語り、そしてまた、笑っていた。

1人ずつ風呂に入ることになった ・・・。

    今頃言うが実は私、彼女達に注意することを忘れていたことが1つある

彼女達は2人とも コンタクトをしているので、気が付いたかどうかわからないが、両親の家中に ある物が大発生 していたのだ。

それは 風呂にも現れて、私の知っている限りでは決して噛んだりわざわざ自ら近付いて来たりはしない、かわいい奴なのだ。

その物とは ・・・ ゾウムシ

小さな小さな真っ黒な、ゾウの鼻を持つ その甲虫は、畳の上にでもお風呂にでもシンクの周りにでもどこにでもいた。

ちょっと触ると死んだ振りをするが、3分ほどで起き上がりそそくさ逃げ出す。

さすがにお風呂にウロウロしていると驚くだろうに、私も注意をし忘れたし、彼女達も何も言わなかった。

だから、ここで尋ねてみたい ・・・ ゾウムシに、気が付いてた??

      わざと教えなかったわけではないので、許しておくれ~~~!!

その夜は3人で枕を並べて話をしながら、知らぬ間に眠りに吸い込まれていった。

彼女達の周りを、ぞろぞろ歩く 黒いゾウムシの影 のことも知らず ・・・ 笑

翌朝は、3人でお互いの 洗顔、保湿、そして基礎化粧、化粧 を見学し合った。

いつもは母が、髪の毛を結うのを、シンクの横の階段に座って、お互いに見学である。

特に、Fiona嬢 は最近になってお化粧を始めたというから、あき姫 も私も興味津々であった。

 “ アイビューラーが 怖い!! ”
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と叫んでいた Fiona嬢 が時間をかけて下地を塗り、ファンデーションをつけようとした時!!

 “ あ、それやっちゃ駄目!! ”
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あき姫 から 待った の旗が揚がる。

イエローカードを出された Fiona嬢 は怯えて動きを止めたまま、瞬きもしない。

 “ ファンデーションは、絶対に手の甲で最初にある程度 粉を落としてから、顔につけなきゃ!! ”

Fiona嬢、“ はい ” と言われたとおり手の甲ではたいてから顔に置いていく。

そして アイビューラー ・・・ あき姫 も 私も彼女の顔のすぐ近くまで顔を持って行って見つめている ・・・ じ~~~ ・・・ おお、いたっ!こわっ!あぶなっ!
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時間をかけて、右目、左目、何とかまぶたを挟むことなく睫毛がカールされた♪

私は午前11時に、元同僚との再会予定があった為、結局2人を少し急がすこととなり身支度を終えると朝食を食べた。

その朝食の間もずっと私達は話し続け、11時ギリギリに同僚から電話が入り、慌てて2人を誘って外に出る始末・・・。

あき姫、Fiona嬢、本当に慌てさせてゴメン!!ゆっくり時間をちゃんととっておけばよかったのに・・・。
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日本なのに日本人なのに何故か自然に2人と抱き合ってサヨナラをし、
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私はやっぱり急いで走り去ったのだった・・・。

Fiona嬢 とは、今年の11月にスコットランドで会える。

あき姫 は、第二段のスコットランド旅行をもうすぐ計画するに違いないと、私は高をくくっている。

本当に本当に、嬉しかったよ、ありがとう!!言い足りないけど、ありがとう!こんなありきたりの言葉で、ごめん!ありがと!!
by yayoitt | 2006-06-26 00:05 | 06 羽伸ばし日本旅行 | Comments(12)
繰り返す出会い、お別れ、そして再会
            人生とは、出会いと別れの繰り返し ・・・。

そんな言葉を言ったのは、そんな歌を歌ったのは、だれだったろうか。

ある愛する人との 別れ に身を投じたのは、確か12年も前のこと。

その痛みや苦しみ、声にならない叫びは、今でも心の傷になっている。

できれば、できることなら、楽しい嬉しい出会いばかりで、生きて行きたい。

別れ を知らずに生きて行きたい。

できることなら ・・・。

別れ のことを考えると夜中に天井を見上げて、涙が出る。

大切な友人、一緒に過した時間、笑って叩いた肩の丸み、それが 思い出 に変わることに対するとてつもない不安。

どうして、こんなに 別れ は、いつも苦しみばかり投げかけるのだろう。

静かにひっそり暮らしてさえいれば、出会い が少ない分、別れ も少なくて済む。

どこか、人のいない、人との交流の少ない場所で暮らしたい、実はそんな願いがある。

出会って声を立てて笑い合っているともう、別れ のことを考えてしまう。


ここの生活で、素晴らしい出会いに沢山恵まれている今 ・・・。

でもその分、そして日本から遠く離れて暮らす生活を選んだが故に、別れ はいつも隣り合わせでいるのだ。

日本での数え切れない嬉しい出会い、再会、そして、断腸の思いを強いられた 別れ

今回、2人の友人が、日本に帰ってしまう

 お別れ である。

1人は、ブログを通じて出会った女性の中で2人目の友人 Yちゃん で、お互いに仕事がなかったり上手く行かなかったりした時からずっと語り合って来た。

どんなことでも、歯に衣着せずに話せる彼女は、9月早々、ご主人と日本での新たな暮らしの為にここを去る。

もう1人は、ここにもよく来てくれる マリモコちゃんで、1年のワーホリを終えて、7月2日に日本に帰ってしまう。

彼女の彼はこの街にいるので、来年の3月には、再び戻ってきてくれると話してくれた。

これで最後、これがしばしの別れ、顔を見るのもしばらく我慢 ... そう思うと泣けてくる。

ガハハ と笑えた、喉の奥まで見えるほど笑い合った、そんな彼女達 ・・・。

でも、覚えていよう。

お別れの後には、再会 があることを ・・・。

そう願えば必ずまた、会えることを ・・・。

ゴーゴーガールズ ♪

日本で頑張れ
 ♪
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        寿司パーティの夜 左の2人が、Yちゃん(左上)とマリモコちゃん(手前左)
by yayoitt | 2006-06-25 01:27 | 英国暮らしって... | Comments(16)
日本滞在紀 第十二章 スピリチュアルな経験 その4
それは、スコットランドへ帰国した日のこと。

6月3日、土曜日の夜のこと。

3週間前に、この家を出た時には、玄関ホールの電気が壊れたままだった

遡(さかのぼ)ると、さらに1ヶ月ほど前。

玄関の電気の電球が切れたので、マイケルが三脚を取り出して、新しい電球を入れた。

簡単な装着でできる電球だったので、いつも通りにはめ込んだ。

スイッチオン ・・・

付かない。

スイッチオフ ・・・

電球入れ直し。

スイッチオン ・・・

付かない。

スイッチオフ ・・・

電球を他の器具に付けて試すとちゃんと付く。

30分ほど付けたり取り外したりを繰り返した後、マイケルは疲れきってしまい、新しい電球を取り付けたまま三脚をたたむことに・・・。

それから、玄関ホールはずっと、暗いままだったのだ

日本から3週間ぶりに帰ったその夜、ノーマンからの熱い歓迎を減で受けた後・・・。

私は電球のことなんかすっかり忘れて、暗い玄関が何となく気になり、スイッチを入れた

普通に明るくなった玄関ホール。

何も考えずにいたら、隣でマイケルが天井を見上げて呟いていた。

 “ 不思議だぁ・・・ 

何が?と尋ねると、一ヶ月前に電球を替えてからそのまま、私がいない間も全く電球は付かなかったらしい。

何度か、試しにスイッチを付けたり消したりしたけど効果はなかったそうだ。

それが、私が帰って来て何気なくスイッチを入れると、それまで付かなかった電灯が玄関を明るく照らし出したのだ

そう言われて私も思い出した、電気が付かなかったことに・・・。

日本でも似たような経験をしてきたばかりだったので、その偶然が重なったことに私は、驚いた。

何か意味が・・・あるんだろうか・・・。
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by yayoitt | 2006-06-24 07:35 | 06 羽伸ばし日本旅行 | Comments(12)
私にできて、マイケルにできないこと 4
窓を叩く雨。

それを見ながら、ラジオの音楽を聴きながらする 洗い物

嫌いじゃない、いや、結構、好きだ。

夕食前に、朝からの 洗い物 をする。

2人分のシリアルのボール、マグ、リンゴジュースを飲んだグラス、2つのスプーン、そしてマイケルのお昼の分。

毎日、仕事から帰って来て夕食前に、この洗い場に立つとまず、唖然とする。

 “ なんで、朝と昼だけでこんなに、グラスとマグを使うんじゃ?? ”

私は、一日に何杯もコーヒーを飲むし、グラスで水も沢山飲むけれど、そのマグやグラスは同じものを使う。

が、マイケル は ・・・。

毎回、同じ紅茶を飲むのに、毎回、蛇口から水を汲むのに、その都度 違うマグやグラスを取り出して使う

そして、シンクの周りに置きっ放す

だから、水周りはいつも、5人くらいの人が過したかのような 洗い物の山 ・・・。

いつも夕食を作ってくれる彼なので、何も言わないけど、でもちょっとだけ愚痴りたい ・・・。

 “ あんたは、足が8本もあるタコか! ”

 “ ありえんけど、潔癖症か! ” 

 “ マグが20個あったら、20個全部を一日で使うやろ! ”

夕食を作ってくれる、ありがたい彼の背中を見ながら、洗い物の手を休めて、心の中で叫んだ。
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           今夜もマグが5個に、グラスは6個
by yayoitt | 2006-06-23 07:10 | 国際結婚って... | Comments(14)
猫の命、人間の命
初夏の風が強く当たるエジンバラ。

うちの病院、時々こんな電話がかかってくる。

 “ 車に轢(ひ)かれた猫を、今から連れて行きます ”

病院の近くで、車に轢かれてしまった猫を、目撃者が病院に何とか運ぼうとしてくれるのだ。

轢かれた猫を、轢いたドライバー本人はまず、連れては来ない

轢いたことがわかっても、その場には戻らない

目撃者でも、車を止めて、もしくわ足を止めてわざわざ猫の体を引き上げようとする人は、そうはいない。

もしも、猫が車に轢かれた場合、もちろんすぐに救急手当てをする必要があるし、それで一命を取り留めることだってある

また、怪我がひどくて助からない場合であっても、ネームタグやマイクロチップを確かめて、飼い主さんに連絡してあげる必要がある

決して、猫だから といって、そのままにしておくべきではないはずである。

なのに、それが人間じゃないからか、実に多く、殆どの通行人やドライバー達は、轢かれた猫をどうしようともしないらしい。

もしもそれが、人間の赤ちゃんだったら・・・?

人間の赤ちゃんが、道路で倒れていたら・・・?

人間が、道路で車にぶつかったら・・・?

もしも、ドライバーがそのまま走り去ったら・・・?


それは沢山の人が集まり、その人を助けようと必死になり、また大きな問題になるだろう。

だがどうして、猫だと、違うのだろうか?

同じ命・・・。

同じ命・・・。


今日も電話がかかってきた。

 “ XXロードで、猫が轢かれるのを見たんだけど、体はそのまま置いてあるんだけどどうしたらいいのかわからなくて・・・ ”

猫の命、人間の命。

そこに違いはないはずだ。

by yayoitt | 2006-06-22 05:25 | 動物病院での出来事、仕事 | Comments(34)
日本滞在紀 第十一章 飛騨でスコッツ3姉妹 故郷探索
スコットランドを通して結ばれた3姉妹、飛騨古川の街並み探索 へと出掛けた。

まずは、私が彼女達に一番見せたかった、この町の最も誇るべき 祭り の広場へ・・・。

夜中に行なわれる お越し太鼓 の 親太鼓 が奉納されており、願い(それぞれの極秘祈願)を込めて あき姫 と Fiona嬢 は一発づつ打ちはなった。

しかし、最後のポーズは、何故に 星飛馬(おっもい~いこんだあら♪)??
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祭り会館の中では、屋台を見て周り、からくり仕掛けの実演を見、隣を見ると、あき姫 と Fiona嬢 が口を開けて見入っていた。

 この人達に、会えてよかったぁ~

私のお気に入りの、3D お越し太鼓 ショートフィルム は、何度見ても迫力があって、臨場感が溢れていて良かった。
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2人も、気に入ってくれたらしかった。

 是非いつか必ず、生で見てほしい。

道端で出会う顔見知りのおじちゃんやおばちゃんに時々声を掛け、掛けられつつ、瀬戸川沿いを歩いた。
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瀬戸川沿い に、新しい地下道があるが、私はよくマイケルとそこを じゃんけん して通ったものだから、3人で じゃんけん で階段を降りて登ることに・・・。

 “ じゃんけんぽん!あいこでしょっ! ” “ やった~~! ” “ ぐぞ~~! ”
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これが地下道の中で10分ほど続き、勝利の女神は、Fiona嬢 に微笑んだ。
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ちなみに負けちゃったのは、デジカメ撮影に気をとられて、勝負に集中できなかった あき姫 (笑)。

あの地下道を、じゃんけん して通りぬけた大人は、私とマイケル、そして東京から来た娘さん2人だけに間違いない・・・。

その後はゆっくりと、ずっと喋り続けながら、大きな川沿いに出て、私の通った小学校へと出て来た。
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小学校の校庭 を見て、東京育ちの2人が 広い土の校庭 というものに驚いているのを見て、私の知らない世界っていうのが、東京には沢山あるんだろうな~と感じた。

小学校の校庭の横には、小さな鎮守の森があり、堀と神社(増島神社)がある。
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その神社を長い年月守って来た、背の高い杉の木が数本、町を見下ろしている。

てっぺんには、鷺(さぎ) が巣を作っており、春~夏は巣の周りを大きな鷺が飛び回り、元気にギャ~ギャ~鳴く声が聞かれる。

マイケルとノーマンと飛騨にいる頃、よく、その大きな姿が高い木を揺らしては舞い上がる姿を、ノーマンの散歩がてら見に来たものであった。

その時の鷺の、もしかしたら同じ鷺かもしれない、子供や孫かもしれない鷺たちがやっぱり、杉のてっぺんを揺らしていたから、嬉しかった。

 “ 帰ってきたよ ” 心の中で呼び掛けた。

愛しい姿を3人で見ていると、校庭の横を走る道路を、たまたま サル衛門、もとい、 が車で通るところだった。

手を上げて声を掛けると  は、道路の真ん中で車を止め(田舎だからできる技!)、道路を渡って来た。
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そろそろ夕方の風が吹きかけていた頃だったが、食事のことはまだ考えていなかった、それよりも3人でそぞろ歩くこの時間が、幸せだった。

そのまま父の車に乗って、夕焼けかけた古川町全体を見下ろせる 忠霊塔 広場へ向った。

子供の頃から何度来たかわからない馴染みのその広場には、大きな 藤棚 があり、ちょうど藤の花が咲き乱れているはずだった。
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しかし、今年の藤は思ったように咲かなかったらしく、それでも垂れ下がる藤色は、沢山のよく肥えた蜂を集めていた。

太く短い大木から信じられないくらい長く伸びる枝、そこから爪のように垂れ下がる藤の花を堪能し、小腹も空いたので、夕食を兼ねての食事をした。
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 花もだけど、やっぱり団子も
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とっても話聞き上手の 東京のお嬢さん2人が、父の話を興味深く聞いてくれる。

こんにゃくを突っつきながら父が、嬉しそうに楽しそうに、目を大きく開いて頷いたり笑ったりする。

 あき姫、Fiona嬢、どうもありがとう・・・。

振り帰ると、西の空が夕焼けて桃色になって、父 と あき姫 と Fiona嬢 の頬や背中を染めながら、山に戻るところだった。
by yayoitt | 2006-06-21 02:27 | 06 羽伸ばし日本旅行 | Comments(8)