カテゴリ:思い出( 131 )
やっぱり、キャップが好き

時代は、昭和の終わりだった。

憧れの戴帽式。
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今でも、あるんだろうか?

どう考えても、効能的ではないもの。

されど、それの意味するところの偉大さ。

看護学生の若き女性たちには、待ちに待った日。

厳かな雰囲気で行われる式典。

そして心に誓う。

看護師としての使命。

 … 戴帽式とは

 看護学校において、看護師を志願しふさわしいと認められた看護学生に、
看護師のシンボルであるナースキャップを与える儀式である。
このキャップをかぶる事によって、看護という職業に対する情熱や
人の命にかかわる責任感を意識する。そして、専門的な知識と
看護師としてふさわしい態度を身につけるよう決意を持つ。
戴帽式では、戴帽生(ナースキャップを受けた生徒たち)が、
ナイチンゲール像から受け取った灯火をかかげて
ナイチンゲール誓詞を朗唱る。そして、看護する相手の立場に立ち、
思いやりの心をもって看護を行うことを誓う。


まさに、そういう式典なのだ。

あの日のことは忘れないし、今も熱い思いで蘇る。

あの日から、確かに心に誓っている。

看護師という職業を離れてもなお、灯火は消えることはない。

そんな貴重な意味を持って受け取ったキャップ。
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最初の数年は、働いていた病院でもキャップを着用したもの。

けれども今は、キャップを装着して仕事をする看護師っているのだろうか?

カーテンに引っ掛かるわ、患者である子供から引っ張られるわ …

それを着用する為に費やす時間も、大きい。

かぶらなくても良くなった時に、正直、ほっとした覚えがある。

されど …

その帽子には、深い思いと情熱がこもっている。

それは心に今も、刻まれている。
by yayoitt | 2017-03-23 04:26 | 思い出 | Comments(0)
ビニール傘と、思い出徒然(つれづれ)
バスに乗っての帰り道 …

二階の席に座ったら、目の前に 白いビニール傘が引っ掛けてあった。

誰かが忘れたのだろう。

白とは言え、透明の、シンプルなビニール傘。

それを見つめていたら、とても懐かしい思いに包まれていくのを感じた。

ビニール傘 …
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学生服

セーラー服

憧れた先輩

右上がりの肩

校舎に脱ぎ捨てられたスリッパ

廊下ですれ違う隣のクラスの女子達

制服のポケット

コスモスを見ながら並んで歩く

部活の更衣室

弓道部の矢を放つ音

濡れた髪

晴れた空

靄のかかった山々


ビニール傘は、高校生だった私たちの、大切なステイタスだった。

持っていなくてはいけないもの。

クールな高校生でありたいのなら。

握る部分は、角ばったものより、丸いのが可愛いと思われた。

女子生徒は、ピンクだった。

男子生徒は、なぜだかブルーは敬遠されて、白が いけてる とされた。

傘ひとつに、様々な束縛を強いられる青春時代だった。

あの頃、私たちは実に、狭い世界に生きていた。

狭い世界だったけれど、そろえた前髪の外側から、世界は永遠に広がっていた。

拘束されていたのに、自由はその手のひらの中にあった。

こぼしたりしながらも、また拾い集めたりして …。

スカートのひだを握り締めて泣いた午後。

あの日、雨が降っていた。

そして、泣かせた誰かは、白いビニール傘をひろげて …

革靴を鳴らして、遠ざかっていった。
by yayoitt | 2015-07-17 03:51 | 思い出 | Comments(4)
最初で、最後の … 高級ブランドバッグの思い出
共働きで3人の娘を育て、1人は大学、2人を看護婦の道へ進ませてくれた。

我が父と母。

雛人形も持ったことがない、牛肉は年越しの夜にすき焼きで食べるだけ。

そんな、経済的には苦しくても、いつも笑いの絶えない明るい家族。

娘3人は、いつもゲラゲラと笑い、時には、暴力的な姉妹喧嘩もしたもの。

お金がなくとも経験こそが宝と、大きな借金をして、海外旅行に連れて行ってくれた。

その、最初の旅行は、私が中学卒業の春休みだった。

母と2人のヨーロッパ12日間の旅行。
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あの旅行で経験したカルチャーショックは、確実にその後の私を変えている。

思春期の私に、あまりにも衝撃的で魅力的な12日間だった。

ツアーグループのツアーメイトは、ほとんどが大きな都会から来た人ばかり。

それだけでも、田舎生まれ育ちの私には、大きなカルチャーショックで。

その都会人は、とても裕福で、寄る店、高級店で、色々な買い物をしていた。

借金で私をフランスへ、ローマへと連れて来てくれた母は …

そんなツアーメイトが髪を乱して買い物する中 …

目の宝 と言って、ガラスの中の品物をひとつひとつ見て廻っていた。
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この店では、これ、あの店では、これ、と人々は買い物をこなしていく。

小さな根付(キーホルダー)を、ドキドキしながらようやく購入した母。

まだ集合時間には早いと、私を連れて店を出て、店の周りの建物を見て歩いた。

 体験こそ、宝 

 経験こそ、宝


そんな母が、ひとつだけ、私の為に、とても高価な物を購入してくれた。

きっと、母もカルチャーショックを受け、目の宝を見て廻り、変わって行ったのだろう。
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パリは イヴサンローラン の店で、私に、買い与えてくれたのだ。

高級ブランドよりも、西洋っぽい文房具を見て廻りたい私に …

平べったい、中には物があまり入りやしない、小さなポシェット。

しかし、革の香りがして、かっちりした固い形は崩れはしない。

子供らしさは、どこにもない、そのポシェット。

日本円で3万円くらいだったと記憶する。

3万円が、あの頃の彼女にとって、どんなに大きな金額だったか想像ができない。

 ちゃんとした物、本物の良さを、知るようにならんとな

そんなことを言って、そのバッグを、私の肩に掛けてくれたのだった。

それは使い勝手が悪く、けれど私には自慢のポシェットで。

誰もまだ イヴサンローラン なんて知らない田舎町で …

13歳の真っ赤なほっぺたの少女は、嬉しくて、ご自慢で、何処へでも出掛けた。

誰も 素敵なバッグ なんて言わなかった。

 本物なんや

私は、そのバッグが大好きだった。
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自らのお金で、好きなカバンを買えるようになると、あのポシェットは姿を消した。

どこにしまったのか、どこへ行ったのか、もう、わからない。

生まれて最初の、13歳の高級ブランドポシェットは …

高級ブランドというものに興味を持たない女性となる私にとって …

もう決して、革のバッグなど手にしない私にとって …

最初で最後の ほんものバッグ になったのだった。
by yayoitt | 2015-01-22 05:05 | 思い出 | Comments(14)
やっこ、泣き泣き成人式
成人式への思いには、色々なものが含まれている。

中学、高校卒業後の懐かしい友との再会の喜びであるとか …

好きだった同級生との再会の興奮であるとか …

自分は、こんなに変わった(実際には変わっていなくとも)ことを見せたい …

そういう思いとか …

たった数年のことだけども、大人になった気持ちが姿に現れているだろうとか …

同じように変わったであろう彼や彼女を見てみたいとか …

そして、大人への本格的な仲間入りを記念する大切な区切りとして。

成人式は、とても、とても、大きなイベントなのである。

早生まれの知恵遅れ、と呼ばれた私に、成人式が近付いてきた25年前。
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故郷の自治体では …

成人式の為に着物を新調したりで経済的負担になるのを防ぐ為、ということで

和装は禁止、とされている。

だから、男女みなが、洋装で出席するのが常。

洋装であれば洋装なりに、スーツなどでお洒落をする。

まだホッペの赤かった20歳に数ヶ月、至っていなかった私も、準備をした。

真ん中の姉が、手作りした白に黒の線が素敵に入ったツーピースのスカートスーツ。

80年代後半だから、肩パットがガッチリ入った、逆三角形のスーツ。

スカートは短く、膝上で …。
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看護学生で、全寮制で過ごしてた私は、冬休みで実家にいた。

姉の手作りのスーツを、欄間から吊る下げて、その日を楽しみにしていた。

何年か会っていない友に …

片思いだった彼に …

バカ扱いされた、あいつに …

よく泣かされた、やつに …

いつも憧れてた、彼女に …

見せたい。

 この白いスーツで、きりって決めて、大人らしく振舞うんだ!

と、胸は期待と興奮で膨らみ、膨らみ …

飛騨の1月3日、成人式の当日。

逆三角形のミニスカートのスーツを着こなし、長いワンレンの髪をかき上げる …

そんな夢を、見つつ …

化粧もせずに、真っ赤なホッペを更に紅潮させて …

高熱を出し、白いスーツがぶら下がる欄間の部屋、布団を敷いて眠ってた。

それが私の、成人式。
by yayoitt | 2015-01-12 04:22 | 思い出 | Comments(10)
1985年、少女とビデオと観覧車
昔も今も、変わらぬ 好きな歌たち よ。

この季節になると、聞きたくなる歌は、切ない歌。

寒い冬 … 恋の歌 … 思春期の愛しの歌たち。

と言えば

安全地帯 チャゲ&飛鳥 レベッカ などである。

ことに、高校生の頃の 歌への思い、愛情、心の傾け具合 は凄いものだ。

だからこそ、あの頃に愛した歌たちは、今も脳裏から、心から離れはしない。

夕食を作りながら、iPad で色々な歌を聞くのが常の私。

今日も、選んだのは 安全地帯 のコンサート。

ロンゲストランで一番、愛してる歌手(グループ)は、安全地帯だと言える。
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このコンサートが、懐かしい思い出を蘇えらせてくれた。

野菜を切る包丁を持つ手を止め、うっとりと、聞き惚れる …

 あぁ 思い出す

あの、初春のまだ、寒い飛騨の午後

確か、休日だったと思う、セーラー服ではなく普段着の私

外から帰って来て、誰もいない家の中、コタツのある居間に入ると …

なんだか、大きな機械が置いてある。

とても大きな機械は、コードでテレビに繋がっている。

 なんやろう、これ?

と思って近付くと、気が付く … 白い便箋に並ぶ文字

真ん中の姉の文字。

 やっこちゃん

 誕生日おめでとう

 テレビの電源を付けて、ここのボタンを押してみてな


持ち運びができる、大きな四角い箱は、ビデオカセットテーププレイヤー。
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初めて見る、その機械、ビデオって話は聞いたことがあったけれど …

まさか、自分の家の古いテレビでビデオなるものが見られるとは。

なんのビデオかわからないから、呼吸を整え、正座して、ボタンを押す。

 あ、テレビのスイッチが先やったな

そして、古いテレビの小さな画面に映し出されたのは …

テレビの歌番組でしか、姿を見たことのない 安全地帯 がステージに!

ステージの背後に、大きな観覧車が!

肩パッドの入った逆3角形のジャケットに身を包み、歌う玉置浩二!

彼が飛ばす唾(つば)まで見える!

ドラマーの汗が光る!

 わああああああああ わああああああああああああ わあああ!!

それから、何度、繰り返して、そのコンサートを見ただろう。

あれは、1985年の夏の、横浜でのコンサートだ。
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まだ雪が路肩に残る、飛騨の田舎で、安全地帯の音楽に心を馳せる高校生の …

生まれて初めての、興奮たる コタツでコンサート だった。

あの午後の時間は、忘れることはない。

姉と、彼女のフィアンセであった、今の私の義兄の、粋な計らい。

それに、見事にまんまと、心そっくり、奪われ、魅了されたのだった。






 
by yayoitt | 2014-12-05 07:01 | 思い出 | Comments(4)
とんびがくるりと輪を描いた … 想い出
私は週末にはよく 昼寝 をする。

時には、午前と午後に2度もすることがある。

昼寝のし過ぎで、目覚めた時に頭が痛いことなんかもある。

英国での暮らしを始めてから、気が付いたことがある。

 英国人は、昼寝をしない

昼寝をする、という人に出会ったことがない。

そして、昼寝をすることを話すと、ちょっと、驚かれるのだ。

やはり(夏が)暑い国の習慣なのだろうか。

でも、私は大好きだし、これはやめられない習慣になっている。

昼寝のことを思うと、必ず思い出す光景がある。

思い出がある。
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多分 … 保育園とか小学校の夏休み。

蒸し暑い午後の、日当たりのよくない、木が軋む古い我が家。

母は、親戚の呉服屋で午前と午後に仕事をしていた。

正午少し過ぎると、母が帰って来る。

昼ごはんを作り、それを頂き … それから2時ちょっと前までの30分ほど。

彼女は必ず、風通しの良い一階の居間で横になるのだ。

小さな私も、必ず一緒に ごろん した。

あつみの厚い母の体。

そこから染み出している、彼女が持つ香り。

蒸した暑さと一緒に、少し汗を帯びたような匂いを嗅ぎながら、目をつむる。

近付きすぎると、暑がって母が嫌がる。

だから、少しの距離を置いて、でも鼻をできるだけ彼女の体に押し付けて。
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蝉(せみ)が鳴いている。

くすんだ白のレース状のカーテンが揺れている。

母の体が、ゆるやかなカーブを描いている。

そして、それが上下に、ゆったりと動いている。

遠くで、テレビの音がする。

真っ青な空高く、とんびが舞って …。

・・・

額(ひたい)や顎(あご)の下、木綿のスカートの太ももに汗が流れ。

寝返りの時に、体に掛けられているタオルケットが畳に落ちる。

目を覚ますと。

その香りが、その分厚いからだが、傍にないのだ。

母は、30分ほどの午睡を終えて、仕事に出掛けて行った後なのである。

一緒に眠ったはずの母がいない。

その寂しさが胸に迫ると、ぐずぐずと、泣けてくる。

眠っている私を起こさないよう、そっと体にタオルケットを掛けて …

母は午後の仕事に出掛けて行ったのだと、頭では理解していても …

なんだか、裏切られたような、見捨てられたような気持ちになる。

蝉(せみ)が寂しげに鳴いている。

カーテンが静かに垂れ下がっている。

突っ掛けで、豆腐屋さんを追い掛ける、どこかのお母さんの声がする。

午後の日差しが窓のすそに落ちている。

とんびが ひ~ゆ~ と鳴いたのを聞いた気がする。

泣きながら、ぐずりながら、それが理不尽とわかりながら。

誰もいない木造の軋む家の中で、声をあげてみる。

 かあちゃん かあちゃん

あと1時間もすれば、母も父も姉達も帰って来ると知りながら。
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あの、目覚めた瞬間の愕然とした喪失感や、同時に沸き起こる切望 …。

あれから40年も経った今もなお、心の、それは中央のどこかに傷となっている。

優しくもあり、切なくもあり、痛みもある …

そんな思い出という傷跡。
by yayoitt | 2014-10-25 04:20 | 思い出 | Comments(10)
大丈夫 … 病気になっても、怒りはしない
いつの頃からか、心に染み付いてしまった。

そんな思いが …

 病気になったら怒られる

 熱を出したら、怒られる


それは、その通りのことではないのだけれど …

自分の頭の中で、そういう風に作り上げてしまったらしい。


私は幼少の頃からよく、熱を出した。

扁桃腺をボンボンに腫らし、身体中からチンチンに熱を出すのだった。

末娘の私を、とても可愛がってくれた父は、とても心配した。

父自身が、扁桃腺が弱くてすぐに熱を出していたのだそうだ。

 こんな俺に似てまったんやなぁ

と、悲しそうに呟くのを、聞いたこともある。

父は、私が熱を出すと、とても不機嫌になるように思えた。

子供の私にはそう、感じられた。

どこが痛いのか、どういう風にしんどいのかを、繰り返し尋ねるのだった。

けれど、熱でヘトヘトではあって、どこが痛い、どうしんどいとは、説明できない。

父はますます不機嫌になって、私を寝かせて、怒ったように仕事に出掛けるのだ。
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幼い私には、わからなかった … あの頃。

どうして父が、そんな風に不機嫌で怒るのか。

けれど、大人になって、彼の思いに自分を置き換えるとき …

彼の気持ちが、行動が、理解できるようになった。

父は …

とても心配で、悲しくて、それでも仕事に行かなくちゃいけなくて …

自分の身を切り裂くように辛かったんだ。

父は …

どうにか私が、丈夫で強い健康な子供であって欲しいと強く願うのに …

またもや、それを裏切るようにして、高熱を出して、ぽしょんとなる …

それが、とっても地団太踏みたいくらいにもどかしかったんだ。
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この晩夏、私が日本にいる間に、父は身体の調子を崩した。

私はその時 …

その父に対して、こう言った。

しんどくて、顔をしかめている彼に向って。

 高齢なんていう病気はないんやから

 しんどいのは、年のせいじゃなくて、必ずなんかの症状なんやから


そして、問い詰めたのではなかったか。

 ちゃんと医者に言ってるの?

 そういう風に、しんどくなるってことを?


あの時、私は …

体の辛さで目を閉じている彼に対して、きっと眉間に皺を寄せていたはず。

あれから

また離れてしまって、時間も経ってしまったけれど …

本当は、こう伝えたい。

 大丈夫

 病気になったって、しんどくったって、誰も怒らないよ

 ごめんな

 ごめん

by yayoitt | 2014-10-15 05:17 | 思い出 | Comments(5)
レターセットな想い出
子供の頃、きっと誰もが する ことのひとつに …

 〇〇を集める (コレクション

ということがあるだろう。

私も、色々と コレクション したものである。

… 鉛筆(これは、姉のコレクションをくすねてた)

… ニオイ消しゴム

… ハローキティーグッズ(昭和オリジナルの頃)

… 切手

… 風見慎吾の雑誌写真切り抜き(うふん

などなど、そのほか色々と。

そんな過去のコレクションな歴史の中で、思い出すと胸がキュンとするものも …

 レターセット

である。
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レターセットというのは、あまり欧米では見られない代物。

こちらは、便箋はレターパットとして、封筒は別に売られるのが常。

 同じ柄やキャラクターの便箋と封筒が一緒になったレターセットは、すごい!

そう思う。

いまでも日本に帰国するたびに、一つか二つ、レターセットを買って帰ってくるのだ。

小学生の頃、サンリオのレターセットに胸を躍らせた。

それは、ちょうど ラブレター というのが流行してた時で …

どのレターセットでもって、どんな言葉を連ねるか …

それを想像するだけで、ドキドキ、ハラハラして、嬉しかったものである。
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日本のキャラクターの可愛さは、格別で子供の心を虜(とりこ)にする。

大人になって、そのキャラクターが、そのイメージがプリントが、思い出を呼び起こす。

生産消費に踊らされるだけではなく、子供にとって、そういうグッズは時代そのもの。

想い出を形成する、重要な一こまになりうるのである。

 …

 〇〇くんへ

 わたしは、〇〇くんのことが好きです

 もしも、わたしのことが嫌いじゃなければ

 今度の土曜日に、△△橋の真ん中で会いましょう

 やっこ












 
by yayoitt | 2014-07-22 05:09 | 思い出 | Comments(6)
プラネタリウム
ずっとずっと、憧れていた。

田舎の空を見上げると、広がる宇宙(そら)に。

それが、宇宙(うちゅう)とか惑星(わくせい)とか …

そういう魅惑的な名前があることを知る前から、ただ、焦がれていた。

未知というものに、抱かれるような不思議な気持を、子供ながらに感じた。

心配性の子供は、暗い夜が怖くて泣くくせに、星の夜をこよなく愛した。
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漠然とした憧れ、恋焦がれにも似た思いは …

ETという衝撃的で感動的な映画の登場でもって、確定的なものとなり。

手を伸ばしても掴みとれなかった、畏れ多すぎた憧れから …

もっと手の内におさまり、こよなく愛することができるのではないかと …

そんな想像の世界と入り混じり

宇宙(そら)は、現実的であり、想像のすべてでもある存在になって行った。
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そんな子供の私が、その名前をはじめて聞いた時の興奮は忘れられない。

外国の、きっとアルファベットの文字、それが音になって耳に届く。

私の思い描ける、どんなものであっても、それは計り知れないような。

 プラネタリウム

そこでは、真昼に星に会えるのだという。

座ったままで、建物の中にいながら、宇宙に会えるのだという。

あの頃、大学生で名古屋にいた姉が、小学高学年の私を誘ってくれた。

名古屋に行って、プラネタリウムを見る。

田舎の小学生は、プラネタリウムという名前すら知らなかった。

クラスメイトに自慢した。

 プラネタリウム、見にいくんやよ

 なんかな、ぶあ~って天井が星だらけになるんやって

 すごいな 綺麗なんやって

 椅子に座ったまんまで見るんやって

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そして、名古屋まで数時間の電車のひとり旅をして。

名古屋の姉と、共に行ったプラネタリウム。

沢山の人が並んでいるのが凄い。

部屋に入ると、耳の鼓膜が押しつぶされる感覚が凄い。

丸い部屋の真ん中にある、宇宙的な望遠鏡のようなものが凄い。

すべてが、そのすべての経験が、凄かった。

小学生の私は、暗闇で、星の誕生の様子を目の当たりに見つめながら …

ひとり、空に浮き

天井を抜け

真昼の名古屋の街を抜け

大気を抜け

宇宙の空間へと導かれるのだった。

ざわめきが耳に戻った頃、部屋の2つのドアは開け放たれ …

部屋の電気が顔に落ちていた。

隣の姉もまだ、今はなにも映し出さない天井を見ていた。

私は、泣いていた。

 おかあさん~ すっごかったねぇ~

と、通り過ぎる子供たちの声がした。

あれから、プラネタリウムと宇宙は、少しだけ遠くにある。
by yayoitt | 2014-05-17 03:19 | 思い出 | Comments(4)
昼寝ができなかった子供と、布団の顔
京都の姉には、娘が2人。

孫が総勢、5人いる。

彼女が、2人の男の子の孫の入園で、布団つくりをしているらしい。
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そう言えば確かに、保育園には お昼寝時間 があった。

そして、それぞれの子供が、お母さんに作ってもらった布団で寝ていたっけ。

 今も、それは変わらないんだな …

と懐かしく思い出している。

私は、その昼寝の時間のことを、よく覚えている。

部屋に綺麗に敷かれた細長い布団。

両隣で眠る子供たち。

そして、その子供たちの真ん中辺りで、先生が座っている。

先生は、夏には内輪(うちわ)で子供たちに風をあおっていた。

毎日の昼寝の時間。

私は、一睡としてできる子供ではなかった。

なにが眠りを妨げるのか、なぜ眠れないのか、ちっともわからないけれど …

とにかく、昼寝時間に目を閉じて 寝たふり をするのに必死だった。

特に、先生が近くに座ったりすると、緊張して息苦しかった。

保育園でのびのび遊び、食べ、そしてぐっすり眠る … そういう子供ではなかった。

 なのに、なんで今、こんなに昼寝が好きなんだろう …

と思ったり。

子供は、すべてがみんな、天真爛漫とは限らない。

天真爛漫のふりをして、大人たちを安心させようと、装っている子供も、いるのである。

眠らない私が横になっていた布団 …

真っ白な、絵柄も色もない生地の布団 …

不器用な母が手縫いしてくれた布団 …

そして

なぜだかしら?

布団と掛け布団の頭側に、マジックで  が描かれていた。

そんな  の描かれていた布団で眠る子供は、誰一人いなかった。

眉毛と目と睫毛と、そして鼻の穴に、にっこり笑った口。

黒いマジックで、それだけ描かれた 

 やっこちゃんがな、どっちが頭かわかるように …

そう母が教えてくれたのを覚えているけれど。

 かあちゃん …

 布団と掛け布団って …

 どっちが頭で、どっちが足でも、関係ないんじゃ …??


と思うようになったのは、ずっと大人になってから。
by yayoitt | 2014-04-06 04:24 | 思い出 | Comments(8)