カテゴリ:遠くにて思う日本( 293 )
もうすぐ届く、両親からの手紙

週末に、ふと思い立って、両親に電話をした。

土曜の夜の、日本は10時を過ぎている。

宵っ張りの彼らだから、心配なく電話してみる。

元気の良い甲高い声で父が応答する。

変わらぬ声。

耳が遠いはずの彼も、なんだか調子が良い。

最近、読書にはまっているという。

 思うのはなぁ …

 あぁ … もっと早くに

 読書の楽しさに気が付いとればなぁ~ってことよ

彼は今、エッセイ集を母と共に楽しんでいるのだとか。

母とも話す。

 やっこちゃん

 手紙は届いたか?

まだ手紙は届いてないと応える。

手紙を出したということも知らなかった。

 そうか そうか

 泣きながらな、書いたんやわ

 なかなか口で言いたくても言えんかったことをな

 したためたでな

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母と父が、泣きながら書いたという手紙。

まだ、届いていない。


by yayoitt | 2017-09-17 03:39 | 遠くにて思う日本 | Comments(4)
忘れられない舞台劇
エジンバラはフェスティバルの真っ只中。
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夏とは名ばかりの涼しいこの土地が …

世界中から集まった、溢れかえる観光客と

やはり世界のさまざまな場所からやって来た

パフォーマーたちで、ぐっと気温を上げる一ヶ月。

人混みが嫌で、パフォーミングを見に行くこともしない私。

そんな私が …

日本からやって来た女性ばかりの演劇を見て来た。
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これが … 本当に、それはとても素晴らしかった。

Busu Theatre (ブス・シアター)

エジンバラ演劇祭で日本人がもっと活躍してもいいじゃないかと考えた
日本人プロデューサーが、2017年のエジンバラ演劇祭に
出演することを目的に作ったユニット
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... 私も記憶している狂言のひとつ ...

附子(ぶす)

ドタバタ笑劇で、そのおちに、なるほど~と、ぽんと大腿を叩く。

子供時代に初めて耳にしたときも、そして大人になった今、

こうして再び見てみても、心がほぐれ、笑みが浮かぶのである。
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... もうひとつは、私が知らなかったもの ...

綾鼓(あやのつづみ)

能楽作品のひとつであり、三島由紀夫が能の謡曲を近代的に翻案した戯曲。

他人には、身のほど知れずと言われるような老人が恋をする。

しかし老人は、からかわれて騙されることで、割腹して死んでしまう。

三島由紀夫が選んだ戯曲だという意味が、よく理解できる。

ふたつの物語は、陽と陰。

それを見事に繫ぎ合わせ、ひとつの空間、ひとつの流れとする素晴らしさ。
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日本の踊り。

日本の楽器。

日本の言葉。

そして交わる英語の言葉。
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日本の着物。

その美しさ。
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能。

和の動き。

静と動。

陰と様。

古(いにしえ)と今。
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笑と涙。

忘れられない舞台劇を …

日本から遠く離れたこの土地で

見ることができたのは、大きな喜びである。
by yayoitt | 2017-08-19 03:11 | 遠くにて思う日本 | Comments(2)
母と娘の第二次世界大戦
一番上の姉が、終戦記念日に思いを馳せて …

こんな文章を書いていた

今日は終戦から72年。
私の母は73年前第二次世界大戦で父親をブーゲンビル島で亡くした。
戦死である。
母は7歳で子守りをして口減らし(その家でご飯をいただくこと)をし、
4人いた兄弟の一番下はお腹の中だった。
その後3歳と5歳の妹と弟は里子に出された。
母の母(私のおばあちゃん)は小さい我が子を隠れて見にいき
地面を叩いて号泣していたという。
一つのみかんを兄弟で分けて食べ、
母の母は、みかんの皮を匂いでがまんしたという。
母は小さい頃の子守りで赤ちゃんをおんぶしていた事により、
今だに肺が弱くすぐ肺炎をおこす。
母の母は重たい着物の行商で背中が丸く縮んでいたのを、
私も覚えている。
2年前、孫たちへの証言という本に母の戦争体験が載り、
夏休みには娘や孫に読んでもらおうとしていました。
今朝、娘に電話すると奥で泣きじゃくる声がして、聞くと、
孫がもうすぐ戦争が始まるのではないかと泣いているのだという。
テレビで連日北朝鮮との不安なニュースが流れ、怖くなってしまったのだ。
子どもはとってもピュアだ。
そして戦争があると犠牲になるのも、こんなピュアで若い命だ。
広島の原爆にはピカ、という言い方とピカドンとがある。
ピカは爆心地に近くて、ピカっと光った瞬間に溶けて焦げて亡くなったため、
ドンは聞こえなかったのだという。初めて知った。
今日は不安で泣きじゃくる孫に戦争の話しはやめておこうと思う ??
けれど、何らかの形で語り伝えなければ、と思う。
母も一生懸命伝えてきたが、風邪をひいたり
膝が痛かったりして大変になってきた。
戦争体験者がどんどん少なくなって、忘れられてはいけないと、
思う、今日でした。

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ちなみに、忘れてはならないことがもう一つある。

とても大切なこと。

私たちの祖父の戦死の理由はこうである。

彼は兵隊として送られたブーゲンビリア島で

病気になり、同じ日本兵たちの手によって

足手まといになっては困ると、海に生きたまま

放り投げられたのである。

それでも 戦死 と一言で、70年近くも

葬られていた。
by yayoitt | 2017-08-16 02:47 | 遠くにて思う日本 | Comments(4)
継続的で、美的な

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上下の下。

緊張する免色さんの姿。

あぁ …

やっぱり、素晴らしい。

愛すべく Haruki Murakami よ。

うぐぐぐぐぐ
by yayoitt | 2017-07-28 02:56 | 遠くにて思う日本 | Comments(0)
ちょっと日本に …
85歳になる父と、81歳の母と

姉たち、そして彼女たちの家族に会いに

日本へ3週間、帰ります。

日本から、突然アップするかも知れません。

皆様も、良い3週間をお過ごし下さい。
by yayoitt | 2017-06-02 05:05 | 遠くにて思う日本 | Comments(2)
生まれた時から


ずうっと、ずうっと精神と体に沁み付いている

この太鼓の音 …

心が揺さ振られる

一年に一度のこの夜を

絶対に見逃しはしなかった

毎年、ずっと、そこにいたい

そう思わせる

2万弱の小さな故郷の町の盛大なお祭

あぁ 帰りたいな

って思わせられる
by yayoitt | 2017-04-19 05:15 | 遠くにて思う日本 | Comments(0)
春よ 
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卒業だけが 理由でしょうか
会えなくなるねと 右手を出した
悲しくなるよ それだけですか
むこうで友達 よんでますか


柏原芳江の歌だ。

ちょうど、中学生で恋多き年代だった私。

センチメンタルに、この歌を聴いたもの。

3月はまだまだ、飛騨に春は遠い。

長靴からズック靴に履きかえられるには…

もう少しだけ時間が掛かる。

春が来てしまえば故郷では色々な楽しみがある。

雪解けがある。

桜がある。

祭がある。

人々の長く寒い冬を抜け出た笑顔がある。

春よ、遠き春よ ...

これはユーミンか。

もうすぐ来る、飛騨にも春が。
by yayoitt | 2017-03-10 04:26 | 遠くにて思う日本 | Comments(0)
ラフマニノフ …
去年、日本に帰った時のこと。

故郷に暮らす真ん中の姉と、こんな話をしていた。

姉: 

大好きな作曲家の、ラフマニノフ

この名前がなかなか、すらっと覚えられんのや

だから、なんか覚え方を考えてみよう


私:

じゃぁ、何かに関連させてやな

姉:

うん、ラフ …

ラフ …


姉 と 私:

あ … 裸婦(らふ)!

私:

マニはぁ~、あ、まあに、やな

注:京都に住む長女の姉のことを まあ と呼ぶ

姉 と 私:

裸婦の、まあってことかぁ~ げえ~~

姉:

しかも、ノフは、農婦やでな

農婦のまあが裸ってことや


姉 と 私:

うええええええええええええええええ
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???

農婦にされた上で裸の想像をされて、

きもい~ とか言われてることなど何も知らない長女の姉よ。
by yayoitt | 2017-02-20 06:09 | 遠くにて思う日本 | Comments(0)
蜜蜂と遠雷

今まで、遠雷という言葉を聞いたことがなかった。

耳にしたことはあったのかも知れないけれど …

漢字として、こういう字なんだと知らなかった。

そういう言葉が存在していたことにも気が付かなかった。

けれど今、その遠雷という言葉が、愛しくある。
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この小説を読み始めて、自分がいる小説の世界が愛しい。

今までに、体験しなかった世界の、その場所に。
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そこで 体験 している今が、興味深い。
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by yayoitt | 2017-02-17 06:22 | 遠くにて思う日本 | Comments(10)
故郷は、雪が積もってこそなりき
私の故郷は、どっかっと雪が降る。

毎年、雪が降る。

私が小学校6年のときの56豪雪は、忘れがたい。

毎年、必ず雪が降り積もり、屋根の雪下ろしで誰かが死ぬ。

故郷は、そういう所だ。

今年も、故郷の姉から、また友から便りが届く。

 一晩で、こんなに積もったよ
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そう、雪とは、そういうもの。

眠っている間に、しんしんと降り積もる。

朝、妙に白々とした明るさでカーテンを開けると …
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前の夜とは違った光景に、息を呑む。

故郷に雪は、降ってこそ。

久し振りに、雪の故郷に帰りたい。
by yayoitt | 2017-01-19 03:23 | 遠くにて思う日本 | Comments(0)