2017年 03月 17日 ( 1 )
愛しの(毛)痕跡

ある家族に愛されたコッカースパニョル。

彼の名前は マーフィー

享年15歳。

いつも忙しいご夫婦と、3人の子供たちに見守られながら …。

静かに息を引き取った。

その身体を病院へ連れて帰る時 …

 このベッドも一緒に持って行って下さい

 返さなくても良いから …

 もしも、誰かに使ってもらえれば使ってください


泣きながらご主人の奥さんが言った。

そうしてマーフィーの身体は。

暖かいベッドと一緒に15年間暮らした家を後にした。

病院に戻り、マーフィーの身体を火葬場に送る準備をする。

彼の身体で温まっていた、まだ新しく見えるベッドだけが残る。

そのベッドを洗濯機で洗う。

乾いたベッドの縫い目に、見つけた。

マーフィーの痕跡を。
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彼の毛が丸まって、いくつもベッドの縫い目に留まっていた。

その毛玉をひとつひとつ丁寧に取り去る。

彼がそこで眠った証。

彼が生存していた証。

マーフィーが愛され、愛した証。
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私はそれを、とても捨てたりできなくて …

家に持って帰ってきてしまったよ。
by yayoitt | 2017-03-17 02:42 | 動物病院レポート ケースから | Comments(0)