2017年 03月 02日 ( 1 )
なんて幸せな安楽死

肝臓に癌が見つかったゴールデンレトリーバー。

見る見る痩せ細り、とうとう食べなくなってしまった。
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ある診察の最後 …

ご主人家族の希望で、獣医師と共に、おうちを訪問することに。

家族がみな、その時間に集まっての安楽死。

ゴールデンレトリーバーのグレイスを取り囲み …

5年間一緒に暮らしている犬のクリオも一緒に …

成人の息子が犬用のビスケットを持ってくる。

2日間、何も食べなかったグレイスがビスケットを口にする。

獣医師が注射針のキャップを外す。

私が前足を支え、母親がグレイスの頭を抱きかかえる。

成人している娘がグレイスの背中を撫で続ける。

クリオグレイスの横にぴったりと寄り添っている。

父親は娘の後ろで娘の肩を抱いている。

獣医師が息子に、ビスケットをあげ続けるように優しく言う。

グレイスはビスケットを2つ、3つ、4つと食べている。

注射の中の液体が半分以上、グレイスの血管へと流れ入ったとき …

5つ目のビスケットを口にしようとした彼女が全身の力を抜く。

彼女の呼吸は止まった。

そして、心臓も。

彼女は、家族みなに囲まれて、大好きなビスケットを食べながら …

虹の橋の袂へ、旅立って行った。

クリオが、泣いている家族ひとりひとりの顔を見ている。

クリオが、動かなくなったグレイスの鼻を一嗅ぎして立ち上がる。

立ち上がり、私の顔を一舐めしてから、廊下に出て水を飲む。

家族がグレイスを抱きしめている。

そして、彼女が最後まで食べてたビスケットのことで笑う。

泣き笑い。
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… なんて幸せな安楽死だろう。

愛する動物の最期は、こうであって欲しいと、心から祈る。
by yayoitt | 2017-03-02 04:39 | 動物病院レポート ケースから | Comments(2)