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たかがオナラ、されどオナラ
人前でした オナラ の一番古い想い出は ・・・

田舎の町内にある公民館、私は多分、5歳くらいだったはず。

2階の畳の広間で、誰か 先生 と呼ばれる、母曰く えっらい人 の講演会。

開け放された窓から入り込む、夏の夜の風が柔らかで ・・・

紙と鉛筆を持って真剣に話を聞く母の膝を抜け出し、畳を這い、全て外された襖の向こう、木の廊下に出た。

他に子供の姿はなく、退屈になって辺りを見回した。

廊下には、まるで無数に思えたスリッパが散らばっていた。

ウンウン と頷きながら話を聞く おばちゃん たちは100人近くいたんだろう。

スリッパの数は大量で、私は胸躍らせて思ったんだった。

 このスリッパを全部、綺麗に並べようっっ

そう思いだしたら、もう えっらい人 のマイクを通した声も聞こえない。

おばちゃんのクシャミも聞こえない。

首筋を垂れる汗も感じやしない。

ただただ、1つずつ丁寧に、丁寧に、並べて行ったのだ。
たかがオナラ、されどオナラ_c0027188_2594461.jpg

瞬間 ・・・


            ブ-------------ッッ



もの凄い大きな音と共に、妙な静寂、そして クスクス ・・・ という音が広がった。

えっらい人 もしばらく、黙っていたらしい。

私は、正直、覚えてない。

覚えているのは、大きな音 → 静寂 → ひそひそ声 → 私に集中する視線

それだけ ・・・。

だからと言って、それが私ではない、というわけでもなく。

絶対に、私が オナラ をしたんだった。

ただ、あまりに大きくて、響いて、その威力に驚いてしまったんだった。

翌日、近所のおばちゃんが家にやって来て、玄関で母と話をしていたのを聞いた。

 おばちゃん : ゆんべの屁よぉ、ひっでぇもんやったなぁ 
          (昨夜のオナラ、酷かったよねぇ)

 母 : 本当いななぁ ・・・ こうぇーこっちゃなぁ ・・・ 誰やろなぁ?
        (本当にねぇ 恥ずかしいなぁ 誰だろうねぇ?)

 おばちゃん : なぁに言っとるのいなぁ、あんたんちの、やっこちゃんやによ 
           (何言ってるの、お宅の、やっこちゃんだよ)

 母 : あんれぇ
     (あらぁ)

誰が 放屁 したのか、知らずにクスクス笑っていた母。

              あんたの娘だよ ・・・

今でも語られる、この夏の夜の オナラ ・・・。

               すまないねぇ ・・・
by yayoitt | 2008-04-29 02:44 | 思い出
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