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ウサギの話
ウサギ ・・・

特に攻撃力を持たない動物。

それだけに天敵の多い動物。

ウサギ ・・・

ウサギは鳴かない と昔からそう、聞いていた。

だけど、苦痛や恐怖、敵に襲われた時などに、彼らは叫ぶことがある。

私が幼い頃、家の中で飼われていた野ウサギがいた。

野ウサギのポポは亡くなる時、母の腕の中で鳴いたという。
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病院でも、診察中に鳴くウサギがいる。

午後の病院、ほんのわずかな静かな時間 ・・・

ウサギの話をしている時に、動物看護師の同僚が教えてくれた。

           ウサギは、痛みを感じないのではないか

その仮説を、否定する試験をした時のことだった。

数羽の雌ウサギに、避妊手術を施した。

手術後、そのウサギたちをA郡とB郡に分けた。

A郡 : 痛み止めの注射を打つ

B郡 : 痛み止めを与えない

手術後、同じ部屋の2つのケージに入れられた雌ウサギたちを、実験者が見に行く。

どちらのウサギも、鼻をヒクヒクさせたりゴソゴソ同じように動いている。

やはり、痛みをウサギは感じないのだろうか?

そして、部屋の中に設置されたカメラの映像を確かめる。

すると ・・・

実験者が、部屋から出た途端 ・・・

B郡の、痛み止めを与えられていないウサギは、倒れ、苦しみ、荒い呼吸をし始める。

そして、実験者がまた、部屋に入ると ・・・

今まで悶え苦しんでいたウサギたちは、体勢を立て直し、何もなかったように振る舞う。

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つまり、ウサギは敵から身を守る為に、痛みや病気を隠す。

自然界では、戦闘力のないウサギは、弱っている姿を見せたらターゲットにされる。

苦痛や苦しみを見せないという、強い生き物なのだ。

泣き叫ばない、痛くても苦しくても、それを現さない。

この話を聞いて、本当に何か、大切なことを教えられた気がした。

だだ漏れてすぐに弱音を吐く自分 ・・・

生きる為に、それを決して相手に見せはしない愛しい命 ・・・

そんな小さな弱い、だけどもの凄く強い命 ・・・

ウサギが教えてくれる生き方。

彼らの生の神秘を、敬い、頭が下がる思いをした、そんな日だった。
by yayoitt | 2008-03-14 06:52 | 愛する動物のこと
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