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Clyde (クライド) の事情
Clyde(クライド)は、アメリカンコッカーの男の子。

マイケルのボーディング(お預かり)では、一番よく我が家に来る。

ここ数ヶ月は、自分の家に帰るよりも、我が家で過ごすことの方が断然多くなってきた。

数週間を我が家で暮らすと、飼い主さんがやって来て週末を家で過ごし、また戻ってくる。
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    そんなClyde(クライド)の事情 ・・・

クライドのご主人一家は、お父さん、お母さん、娘、息子。

お父さんはオイルワーカー(石油掘り技術者)で世界中、石油堀りの仕事があれば出掛ける。

子供たちが小さいうちは、この家族全員で、国から国へと引越ししていた。

クライドも仔犬のうちから、この家族と共にシンガポールに住んだりしてきたのだ。

クライドは、娘の犬として家族に迎え入れられ、彼女が一番よく面倒を見てきた。

今は大学生でイギリスの街にいる彼女は、エジンバラの家に帰ることも少なく、ここ数年は家に残った家族がクライドと共にいた。

しかし、息子はプライベートのカレッジの寮に入ることとなり家を出、お父さんは出張続き。

家にいるお母さんがクライドと一番長い時間を過すことになった。

ここ数ヶ月前に、お父さんの新しい長い仕事が、ロンドン拠点で決定。

子供たちが大きくなってからは、家族がお父さんの転勤に付いて動くこともなくなり、お父さんは単身赴任に。

時々、お母さんが数週間、ホリデーの如くお父さんに会いに行くのが常となり、それで家に誰もいなくなるのでクライドが我が家に時々、お泊りに来ることとなった。

そのお母さんが、ロンドンに引っ越したいと考えるようになったのがここ最近。

ロンドンの家は、どうやらペットがダメなのだろうか、クライドを連れて行けないようである。

将来的には 里親 を探したいようであるが、エジンバラに帰ってきた時にクライドに会いたい、という娘の強い願いもあって、それがなかなか出来ずにいる。
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かねて相談を受けていたマイケルは、特別料金で長期ボーディングという形でクライドを我が家で預かることにした。

とても裕福な家庭なので、お金のことは全く気にならないようで、喜んでくれている。

けれど同時に、ちゃんとした 里親 探しもされているので、クライドがいつまで我が家に滞在するかはわからない。

10歳のクライドを、時々前のご主人が会いに来るという条件で クライド となる人を探すのは簡単ではない。

先週末に1泊2日だけ、ご主人のおうちに戻ったクライド

いつも行くトリマーに連れて行ってもらい、一回り小さくなって帰ってきたクライドに、私とマイケルはこうやって迎える。

            “ おかえり ”
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ノーマンと付かず離れずの自然な関係を保ち、当たり前のように甘えに来るクライドの背中を撫でながら思う。

 彼はどう感じているのだろうか

私はよく思っていることがある。

          犬は、過去の経験を感覚で覚えてはいるけれど、
          思い出としては持ち合わせないのかも知れない
 

それは、全くの間違いかも知れない。

だけど彼らを知れば知るほど思えてくる。

          今の連続をただただ懸命に生きているのではないか 

クライドが私たちと生活する中で、大好きだった娘のことを思い出すことがあるのだろうか?

舌を出した彼の顔を見ながら問い掛けても、彼は何も言いはしない。

彼の為にも、彼の  をただ幸せに生きてもらえるように、と願うしかない。

それなのに彼から、突然、信号を出されることもある。

            理由はわからないが元気がない
           何か、落ち込んでいるように感じる


ずっと彼と一緒に生活をしている私達の、その勘は当たっているに違いない。

         肉体的に健康であるのに、元気がなくいつもと違う

クライドが、確かに何かを感じて、メッセージを送っている。

Clyde(クライド)を膝に抱きながら呟いてみる。

 あなたの今は、幸せなのだろうか?

Clyde(クライド)は不思議そうに、大きな目を開いて私を見つめる。
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           ねぇ 僕の声は、ちゃんと届いている?
by yayoitt | 2008-01-10 03:55 | マイケルのドッグウォーキング
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