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中学校の思い出 受験戦争
小学校での苛められっ子を克服し、その反動で中学校での私は、炸裂していた。小学校で覚えた、ピエロの様に可笑しな顔や可笑しな動作が人を惹き付けることを学んだ私は、そう、セーラー服を着た、ずいぶんぽっちゃりの道化、であった。女の子達とも男の子達とも、皆が仲の良かった活発なクラスで、とにかく楽しい3年間だった。クラス替えは、1年生の終了に一度だけで、2.3年と同じクラスであったから、2年間毎日同じ顔を付きあわせていると、兄弟のように仲良くなった。冬には、校庭にずっしりと深く雪が積もるので、セーラー服のスカートを脱ぎ、下に履いていたトレパンに、上はセーラーのままという、実に田舎くさい、ださい格好になって、男子に付いて雪合戦をしていた。20分間の雪合戦が終わって、汗をかきながら教室に戻ってくると、5時間目の授業が始まってもクラスの数人の頭や身体からは、ストーブの火で乾き始めて湯気が立ち上るのだった。3年生の受験間際にも、私は、男の子数人に付いて外へ遊びに出掛けたのであるが、ある昼休みの次の5時間目、クラスの担任による数学の授業の時に、ひどく怒られた。例の如く、頭から湯気を出す生徒を前にして、受験生の自覚がない!と叱られたのだ。怒ると口から泡を吐くので恐ろしいその先生は、誰が外で遊んでいたのか、と聞いた時に、ふと私達を見回し、その確認の必要が無かったらしく、名前が呼ばれ、私もその中に入っていた。そう、皆、ずぶぬれで半渇き、湯気が立っていたからである。
この授業は実に怖かった。私は、立たされた中で、殆どが男子生徒だった中のごくわずかな女子だったのだ。真っ赤になりながら、周りで乾いて綺麗な顔のままの女生徒の友人達を見れなかった。その翌日から、私達は、クラス中で受験ムードを作り上げた。休み時間は、ノートや暗記帳を片手に、勉強した。それでもやっぱり遊びたい私達は、アップダウンクイズと称して、幾つものグループになり、質問を出す人、それに答える人、となって問題を出し合った。
正解するごとに、文字通りアップするから、最初は床に座り、次は椅子の上、そして机に座り、最後は机の上に立ってまで架空のボタンを“ピンポーン♪”と押し続ける。間違うと、反対にダウンだから、床に寝転びながらボタンを押した。教室に顔を出した担任の先生も、床に寝転んでぎゃぁぎゃぁ叫んで受験勉強をし合う姿の方が、頭から湯気を出して遊ぶ姿より、気に入ったらしく、微笑んで喜んでくれた。それぞれが思う高校へと、また、数人は挫折しながらも最後には留まる道へと進み、みんなが、ばらばらになった。この中学校2年間のクラスで過ごした1日1日は、今振り返っても、尊い時間だったと思う。あれから、一度も私は、その同窓会などに参加できてはいないけれど、どうしてももう一度会いたい人達ばかりだ。
by yayoitt | 2005-02-13 05:04 | 思い出
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