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イタリア、山とハート紀行 (ここに Eco エコ)
私たちが連泊したホテル Irma では、朝食と夕食が出た。
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夕食は、第一コース(パスタ類)、第二コース(肉、魚類)、そしてデザート

連泊の客が殆どなので、座るのは、自然と朝も夜も同じテーブルになった。

今考えると、一応、そう決まったのかも知れない。

・・・ ここが今日から私たちが食事をするテーブル ・・・ と。

テーブルの上には、翌日の夕食のメニュー(1,2コースとも5種類くらいの中から選ぶ)と鉛筆が立てられていた。
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あいにく私の場合、第一コース第二コースも、全て肉や魚、チーズやミルクが使われているので選べなかった。

最初の夜にマイケルが、女将の Irmaさん に説明してくれた。

笑顔が優しい彼女は、頷いて、ヴェジタリアンなのね? と言ってくれた。

マイケルが、乳製品も卵も食べない、と付け加えるとさすがに戸惑っていたが、彼女なりの結論を出してくれた。

 “ 動物が好きだから、動物の物を一切、食べないのね? ”

  はっは~~~~~~っ!女将さん~~っ、その通りっ!!

それからは、第一コースではベジタブルスープを。

そして第二コースでは、本当は第一コースで頂くパスタを特別に出してくれた。

毎晩、スープと、トマトソースのパスタを出してもらう私を、隣の席のイタリア人夫婦は不思議に思ってるよ ・・・ とマイケルが教えてくれた。

その夫婦の最後の夜、金髪でよく日に焼けた、60代くらいと思われる奥さんが私たちに話し掛けてくれた。

 “ ヴェジタリアーノなの? ”

マイケルが、ヴィーガンの説明を詳しくすると、彼女はしばらく驚いて旦那さんと短く言葉を交わしていたが、

 “ でも、きっと現代人は、そういう食生活が理想的なんだと思うわ。

 ただ、たんぱく質はちゃんと取れてるの? それだけは心配ね ・・・
 ”

ヨーロッパ大陸ではまだまだ馴染みの薄い ヴェジタリアン や ヴィーガン

だけど、確かにこうして感じてくれたり理解してくれる中年の人々に出会えて、とても嬉しかった。

なんだか、食が一番の誇れる文化イタリアで、ちょっと 受け入れられた ようで嬉しかった。
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そうやってホテルに迷惑をかけながらも、毎晩、お腹を空かしては大喜びで スープ と トマトソースのパスタ 、デザートには フルーツサラダ を手を叩きながら喜んで食べ尽くし ・・・ 笑

そのテーブルの上に、最初の夜には、それが何だかわからなかった物

その 布の袋 が向って左手に置かれていた。

なんだ、なんだ? とマイケルと私は首をかしげ、辺りを見回すとやはり、どのテーブルにも人数分、ちゃんと同じ布袋が置かれていた。

その夜は、それが使われる様子もなく、誰も使う様子もなく、ごちそう様 のお礼を言って、膝に置いておいた布のナプキンをテーブルに置いて席を立った。

翌朝、一番にレストランに到着した私たち。

              あれ?

 ・・・ あることに気がついた。

私達のテーブルには布のナプキンが置かれているのに、他のテーブルにはそれがない。

             なんでだろう?

そう思って、隣のテーブルをよく見ると ・・・

          ああああっ!ナプキンがっ!!

なんだなんだと不思議に思っていた布袋の中に白いナプキンが入ってるではないかっ ・・・
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                 っと言うことは ・・・

連泊の場合、毎回ナプキンを洗わなくて良いように、Myナプキンとして袋の中にとっておく 

らしいのだ。

My ナプキン ・・・ なんだか、いいなぁ~~、目から鱗だぁ

よくあるホテルのバスタオルの取り替えと同じ、もしも特別に洗い換えして欲しい場合だけお願いするのである。

しかも、布袋に入れる、入れない という暗黙の了解による沈黙の依頼。

すっかり気に入った私とマイケル、朝食を済ませると、威張るようにして使った白いナプキンを折りたたみ、布袋の中にしまった。

そうしてニッコリ頷き合って言った。

        “ Green, Green (グリーン、グリーン) ”

 (注 : この場合の Green とは英語で、省エネを意味する) 
by yayoitt | 2007-07-19 02:57 | イタリア、山とハート紀行
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