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やソップ物語 ~ ハンケツシャワーの妖精
昔々、スコッ  ランドという国の、ある小さなおうちで やっこ はその日も待っていました。

やっこ は、黒い髪に黒い瞳を持つ ホビッツ で、彼女には一緒に暮らす ジャイアントマイケル がいました。

その日は、やっこ の友達のかわいらしい ホビッツフィオナ も家におり、温かい紅茶やコーヒー、ハーブティーなど飲みながら、朝からずっと話し続けていたのでした。

その、やっこ が待っていたものとは、誰かの到着 ・・・。

マイケル と、随分と首を長くして待っていたのでした。

もう2週間以上も前から、家の  シャワー が壊れ、やっこ と マイケル はそれは不自由な生活をしていたのです。

不自由なのは、泊まりで遊びに来ている フィオナ も同じで、湯船に浸かっては、窓からもれてくる冬の風に震えるのでした。

その日は、待ちに待った シャワーを直しの達人 が家にやってくる日だったのす。

やっこ と マイケル は、この日をある意味、半信半疑でドキドキしながら過していました。

というのも、シャワー直しの達人が、前の週と更に前の週に2度、来ると言っていて待っていたのに来なかったからです。

怒ったジャイアントの マイケル は、ドスを効かせた声で言ってやりました。

 “ お前なぁ~、俺は山菜取りにも出掛けずに丸々2日ずっと待ってたんだぞ!3度目にもし来なかったら、3日分の俺たちの食べ物を、持って来い!! ”

ジャイアントに見下げられて怒られた シャワー直しの達人 はさすがに震え上がりました。

だから、3度目の正直で、今日こそ 達人は来るに違いないと思いながらも、また来ないんじゃないかとも思っていたのです。

午後になり、マイケル は山菜取りに山へ出掛け、やっこ と フィオナ が家でお留守番をしながら、達人を待っている時のことです。

チリリリリーーーン

玄関に吊るさげてあるベルが鳴りました。

やっこ は、思わず叫び声を上げてドアに近付き、小さな鍵穴から覗いてみると ・・・。

そこにはデブッチョで鼻を垂らしたホビッツが1人、立っていました。

ドアを開けるとデブのホビッツは、のろのろと中に入り、 “ シャワー直しの達人、サムだよぉ ” と高い声で言いました。

やっこ は何だかこのホビッツが達人とは信じられなかったのですが、工具も持っている為、仕方なくシャワーのある部屋に案内しました。

それから数十分、カンコンカンコン、どんどん、カンコン、サム と名乗ったデブッチョのホビッツは忙しそうに働きました。

40分も過ぎた頃、サム が風呂場からやっこを呼びました。

 “ オッケ~~~、できたよ、はい!あったらしいシャワーは気持がええよ~~~ ”

壁を見ると、思いがけなく美しい新品の豪華なシャワーがキラキラ光っているではありませんか!

やっこ は、丁寧にお礼を言いました。

デブッチョのサム は鼻を一拭いすると、黄色くなった袖で頬を掻きました。

 “ じゃ、今晩から、あったかいシャワーを楽しんでおくれぇ~~~ ”

やっこ は、2度も3度も頭を下げました。

そして、達人の サム が、やっこ に背中を向けて帰ろうとした時 ・・・。

やっこ は、シャワーの達人 サム の、デブッチョの後姿に目が釘付けになりました。

サム の履いていたジャージズボンがずれ落ちかけて、ハンケツ状態だったのです。

鼻歌を歌いながら去って行くサム、デブッチョの真っ白いお尻は、割れ目がくっきり見えています。

時々片手でジャージを上げるのですがすぐに下がってしまいます。

口を開けて、その去り行くハンケツを見つめながらも、我に返った やっこ は、浴室に戻りました。

やっぱりそこには、豪華で綺麗な新品のシャワーがあります。

あのハンケツの洟垂れが、このシャワーを取り付けたことが信じられなかったのです。

その日から毎朝 やっこ が熱い強いシャワーを使う度に、真っ白いハンケツを思い出すのでした・・・。
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めでたしめでたし
by yayoitt | 2006-11-07 18:34 | 英国暮らしって...
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