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無知と無視は無責任で有罪
一昨日、呼吸困難で朝から病院に預けられていた猫、ボニー

飼い主が病院に彼を連れてきた時は、正に、息も絶え絶え...といった苦しそうな状態であった。

肺なのか、心臓なのか?

肺に水が溜まっているのか?

ケネルの中で、お小水(おしっこ)をすると、その分身体から水分が抜けて、呼吸が楽になるのがわかる。

レントゲンの検査の結果、両肺に白く抜ける硬質の陰が点在し、もしかしたら肺ガンかもしれない、または生理的なものかもしれない。

二回目検査の今日は、丸一日、ケネルの中で殆ど、動くことが出来ないでいたボニー。

見るからに痛々しかった。

しかし、この猫、ボニーの身体的最大の問題は、その体重にあった

とにかく、大きな大きな猫なのだ。

心臓や肺、全ての臓器がこの厚みの厚い脂肪に、四六時中 圧迫されていたら、何か問題が起こるのは時間の問題である。

飼い主の初老の女性は、今まで何度となく、獣医師から食事に対しての注意を受けてきた。

が、結局、 “私は1日35gしか餌はやらない” と言い張り、非難されると目を吊り上げて明らかにムッとするのであった。

本当に1日35gの食事であれば、ドメスティックの猫がこんなに太るはずは無い。

同居する他の猫の餌をも食べているのでなければ...

そうであったにしろ、ペットの体重増加は、理由が何であれ、飼い主の責任であると私は思う。

去勢、避妊手術後に体重が増えることが多い。

そのことを知っていればちゃんと “ それ前の食事の量より10%は減らす ” ことで、体重増加は防げる。

今の情報時代、知らなかった、という言い訳は余り通用しない。

小さな体の動物たちの体重増減は、人間のそれよりも、もっと直接に身体へ影響を及ぼす。

野生動物で無い彼らの健康管理は、100%、人間の責任である。


知らないこと、知ろうとしないこと、それは、愛するペットを死に至らせる。

知らないこと、知ろうとしないこと、それは、愛する動物に対して無責任な行動である。

知らないこと、知ろうとしないこと、それは、罪である。



ボニーは、ケネルの中で、殆ど身動きできずに大きな身体をアシカのように横たえるだけであった。

その夜、うちの病院から、救急病院に搬送された。

一緒に付き添う飼い主は、ケージの中で重たく横たわるボニーを抱えて、交通渋滞を愚痴っていた。
by yayoitt | 2006-02-08 05:36 | 動物病院レポート ケースから
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