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マル島旅行記 ストーカー
神聖の地アイオナから、マル島に向うフェリーは行ったり来たりを繰り返し頻回に出ていたので、夕方、比較的遅めのフェリーに乗って、マル島へ戻った。

この日の朝に、同じスタッファ、アイオナツアーに参加した人々の中に、前夜、私達と同じB&Bに宿泊していた中年の夫婦がいた。

その夫婦には、前夜に、港のレストランで初めて出会ったが、その時は同じ宿泊だとは思わずに特に挨拶もしなかったが、私は彼らを、何となく仲の良い雰囲気の良いカップルとして覚えていた。その翌朝、つまりこの朝に、朝食に降りて行って彼らに再会し、そこで初めて挨拶をした...本当に仲の良い2人とも白髪が上品な初老の夫婦だった。

その後、スタッファツアーのボートを待つ間、一緒に話をしながら待って、同じ船に乗り、初めてアイオナに着いた時に別れた...が、このアイオナからマル島に戻るフェリーの中で、私は彼らを目撃していたのだ。

マイケルと冗談で、“まるで私達はストーカーだなぁ...。これでマル島でまた会ったら絶対に怪しいよな”と言いながら、2人の中のストーカーのイメージと称しての コント が始まった。

コントは、次にその夫婦に会った時、私とマイケルが、背後からそ~っと近付いて行って、2人の耳元でこう囁(ささや)く...
 
“I know you were inIona, weren’t you... ”(あんた、アイオナ島にいたでしょう、あたし、知ってんだよ...)

そこから始まり、彼らを見掛けたレストランやB&Bと場所を変えて、“あんた、あのB&Bに泊まってたでしょう?あたし、知ってんだよ... ”と繰り返すのだ。こんなことが可笑しくて腹を抱えて笑いながら、それにしても良い夫婦だったと私が言うと、マイケルが首を傾げて、でも、きっと夫婦じゃないと思う と言ったので驚いた。理由は、朝の朝食の時の2人の会話が、夫婦らしくなかったからだと言う...私達、本当に彼らをストークしているみたいだぁ...。

マル島に戻ると、さっそく車に乗って、今晩泊まるつもりの村まで1時間ほど走らせた...が、何と言っても小さなマル島のオフシーズン、B&Bと看板を掲げていても、気分が向かなかったりして営業しない人が多いらしく、その目的の村(全部で家が10件くらい)で泊まれる所がなかった。暗くなるし、お腹は空くし、どうしようかと考え、昨日泊まったチャウチャウのいるB&Bにもう一度戻ることに...再び来た道を1時間ほど走り、B&Bに到着、部屋は空いているから、ということで再びそこに泊まれることに。

お腹が空いていたので早速に港の昨夜と同じレストランへと向った(このレストランが、実に美味しくてお洒落で、こんな小さな村にどうしてこんなにちゃんとしたレストランがあるのか、と驚くような所なのだ)。

レストランに入って席に案内される前にまず、私とマイケルは、思わずニッコリ!!!

そう、あの初老のカップルが...座っていたのだ。

彼らも笑顔で振り向き、私達は冗談で、僕達ストーカーのようだなぁ、などと言いながら2~3言葉を交わしたが、本当に感じの良いカップルだった。

さっきマイケルが言っていた(夫婦じゃないかも)という言葉が浮かんできて、思わず聞き耳を立てる訳ではないのに、彼らの話に耳を傾けてしまっていた私達...内容は、学校時代は何を学んだか、この教科ではこんなことをしたが、あなたはどうだったかとか、思い出話が殆どで、特にワインでほろ酔いになっている女性の方が常に話しっ放しである。

うんうん、確かに長年の夫婦やカップルなら敢えて昔の学校の話とかはもうしないな、しかもずっと話し続けて、あんなに嬉しそうに見つめ合ってて...そこで私がマイケルに顔を近づけて一言... 

“あんたら、夫婦じゃないでしょ?付き合い始めたばっかでしょ?あたし、知ってんだよね... ” 

2人して吹き出した。

翌朝、朝食で再び顔を合わせた時には本当に驚いたが、よく考えると、彼らは連泊していたのであって、特に不思議ではないのだ、が、全く、私達は彼らのストーカーになった気分がして、とても照れてしまった。席を立って、お別れの挨拶をマイケルが言うと、男性の方が “間違いなくどこかでまた会うだろうからね” と、そこでマイケルも “ストーキングしてるからね” と。

それが彼らとの、マル島でのお別れだった。
マル島旅行記 ストーカー  _c0027188_152277.jpg


これが私達が連泊して夫婦を付けて廻ったチャウチャウのいるB&Bのサイト
 http://www.achabanhouse.com/index.html

写真は、マルの港 Fionnphort フィオンポート から、向こうにアイオナ島を望む
by yayoitt | 2005-10-26 01:52 | マル島旅行記
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