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4度目の年女のつぶやき
朝起きて顔がむくむ、ということを身体をもって知っても

少しくらい甘い物を控えたくらいで、ダイエットできなくなっても

身体を丸めるといつも、おなかの辺りで肉が引っ掛かっても

3階の部屋まで辿り着くのに、ひどく息切れしていても

しゃがんだ姿勢から、すぐに立ち上がれなくなっていても

つり目がちだと思っていたのに、垂れ目に見えても

それが、上瞼(うわまぶた)の弛みによるものであっても

仕事場にやって来る同僚が、いとも容易く自分の子供で良い年齢でも

カラオケで、歌える歌は80年代ばかりだと承知でも

だけど、それを止めることはなく、選曲して歌い続けても

首の皮の柔軟性が、いやに高まったとわかっていても

両口角から下に引っ張られる頬のたるみが、犬みたいと感じても

それを、はははっと笑っても

笑った後に、ちょっとだけ溜息をついても
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今年、自分が4度目の年女と自覚はしていても

ってことはぁ … と

そこがもう、人生の折り返し地点を悠々と越えていると気付いても

自らの唾液すらが、気管の方に入って、むせることが多くなってても

でも

でも

でも

あの日の

張りつめた気持ちとか

あの夜の

絶望感だとか

あの朝の

じわりじわりと寄せてくる幸福感だとか

あの時の

震撼させられた声だとか

確かに自分のことを見つめていた、あの瞳とか

喧騒に混じり消えていく背中とか

言葉とか

意識とか

恋心だとかは

なにひとつ、姿も感じ方も変えることなく

今もなお、打ち寄せることがある

けれども、そう感じるということが、もしかしたら

4度目の年女である証拠なのかも知れない?

by yayoitt | 2017-02-18 04:30 | 恋愛とは...
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