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ADVENT CALENDER
今年も、11月末に、郵便が届いた。
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ダンディーの、おっとさんと、おっかさんからだ。私も旦那も、それが何かは、知っている。
それは、アドヴェントカレンダーである。アドヴェントADVENTとは、キリストの降臨節(キリスト誕生までの4週間)。そのカレンダーなので、12月1日から、24日までのカレンダーであるが、1日、1日が、めくれるようになっていて、めくると、中には、その日によって違う絵が書かれている。1から24までの番号は、その1枚のカレンダーの絵の上に、バラバラに散らばっている。カレンダーの絵は、様々で、今年私達が受け取ったのは、森の中、サンタクロースが橇(ソリ)に乗り、周りには沢山の動物が顔を出している、というもの。多分、おっとさん、おっかさんが、私達の動物愛護を意識して、選んだものだと思われる。私が、マイケルと結婚してから、必ず、このカレンダーを受け取っている。ただ、一度だけ、受け取らなかった年があった。それは、私と旦那が、スコットランドへ来春には引っ越す、と決まっていた11月。
今から、6年前になる。
現在、身体障害者になってしまったおっかさんが、病に倒れてしまった時だった。
マイケルが、また、姉のジェニファーが、どこにいても、必ず、両親からの、それが毎年届いていたのに、その年初めて、彼らの元に、アドヴェントカレンダーは届かなかった。
この時、ジェニファーは、届かなかったカレンダーと、お母さんの病を思い、ずっと泣き続けたらしい。それでも、奇跡的に、車椅子生活にはなったものの、翌年から、再び、カレンダーは届くようになった。しかも、両腕、特に、指がほとんど動かせなくなったおっかさんが、カレンダーの裏に、時間をかけて書いたらしい、   LOVE MUM XXX   の字を見つけた時には、みんなで歓声をあげた。この、XXX、“X”は“キス”の意味である。だから意味は、“愛を込めて、ママより、キスキスキス”。
私と旦那は、アドヴェントカレンダーで、毎年、競い合いをするのが常で、毎日、ひにちをめくった時に、中に描かれてある絵を当てるのだ。そして、24日間、当てた合計の多い方が、勝ちという、それだけの競い合い。でも、これが、2人とも、必死だからおもしろい。24日だけは、どんなアドヴェントカレンダーも、絵が決まっている。キリストが聖母マリアに抱かれているもの。昨年の勝者が、24日の分を、先に言うことが出来るルールで、もちろん、キリストと聖母マリアと言うから、自動的に一日分は得点を得ているのだ。去年は旦那が2-1で勝ったので、24日は、旦那の得点、ともう決まっている。中の絵は、そのカレンダーによって違うが、似たものが多く、冬とクリスマスにちなんだ物ばかりだ。ツリーだとか、靴下とか、サンタとか、クラッカーとか…。時々は、全く関係なさそうな、テディーベアとか出て来ると、二人で、
“なんでこれがクリスマスなのさ”と鼻息を荒立てる。毎晩、寝る前に、開けるこのカレンダー、ちょっとした一日のハイライトになっている。
私が初めて、アドヴェントカレンダーを知ったのは、看護婦時代。
オーストラリアへ、もう数週間で出掛ける頃だったと思う。
一緒に働いていた、ある女性医師(7月にご主人と会いに来てくれたので、その日記が7月分に書かれています)が、私の病院退職前に、それをプレゼントしてくれたのだ。彼女から頂いたのは、アドヴェントカレンダーのクリスマスカードで、その時の私は、それをどういう風にしたら良いかも、わからなかった。アメリカでの仕事経験などもある彼女が、それについて、色々教えてくれた。私は、結局、一日もひにちをめくることなく、オーストラリアに持って行き、
ただ大切に飾っていたのだが、いまだに、毎年、このカレンダーを受け取ると、彼女のことを思い出すのだ。前回、2年間日本に帰っていた時に、彼女とも再会し、また、旦那も共にとても楽しい時を過ごした。私は、仕事場で一緒だったので、懐かしい話を色々、彼女とした。
オーストラリアに行く前、一緒に働いていた時には、病院内の有志で、ちょっとしたバンドを組んだことがある。彼女はピアノを弾き、私はヴォーカリストの1人として、忘年会での披露に向けて、仕事後の暗い病院の一室で、他の医者や助手さんたちと、必死に練習をした。
歌ったのは、ビートルズの“HEY JUDE”“NOWHERE MAN”だったと思う。
これは、結構楽しくて、全部で8人くらいだったが、大成功したと記憶する。
新年宴会でも、再び、歌ったと思うので、結構、いけたんだろう、と思っている。
いや、自己満足だったか?いやいや、みんな、立って踊ってくれたはずだ。うん。
アドヴェントカレンダーから、色々蘇ってくる思い出、人々、おっかさんのこと…。
今晩の私の予想は、“靴下”で行くつもりだ。
by yayoitt | 2004-12-06 23:05 | 英国文化って...
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