母親の慟哭
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 ある10月末の午後に、私はその家に到着した

 紅葉した葉が誇らしく燃え盛っていた

 そして、私は牛たちが、思っていたよりもずっと家の傍にいるのに気が付いた

 私が車を降りる前に、彼らの声が聞こえてくらいだった

 車のエンジンを切ると同時に、何か、酷いことがおこっていると知った

 私はその、混乱したありさまを目撃することとなった

 牛たちは、うなり、足を踏み鳴らして、牧草地をよろよろと歩き回っている

 私の車の6mほど向こうで、彼らは互いに衝突しあい、フェンスを押している

 12頭ほどが、狂気じみた目で立ち尽くし、鼻をクンクン言わせながら
 ひどく金切り声をあげている

 悲しいかな … 私はとてもよく知っていた

 彼らのその、困惑と騒動の理由を

 ″ 君たちの赤ちゃんたちを、連れ去ったのね ”

 私は悲しみながら、一頭の牛の、その悲痛に沈んだ瞳を見つめながら言った

 彼女は、その目をぐるりと回転させ、さらに大声で鳴いた


 胃の辺りに吐き気を感じながら、その家に入って行った

 その家の責任者である女性、メアリーは、そこを住まいにもしている

 ” あの牛たちは半狂乱になっているわ ”

 私が言った

 牛たちの慟哭は、家の中にも響き渡ってくる

 私は今まで、こんな声を聞いたことがない

 ” これは、いつまで続くんですか? ”

 ” 明日までよ ” 

 と彼女が答えた

 ” そして、また屠殺所行きのトラクターが来て、それで終わりよ ”

 私の心臓が、まるで床に叩きつけられるような思いだった

 あの悲惨な母親牛を見つめていたときの、激しい瞬間を思い出していた

 そのまさに、眼球と眼球とも言える、あの瞬間を


 西バージニア州での、これらの体験 …

 ただ目撃者として耐えなくてはならないことほど、私を打ちのめすものはない

 そして、 これほど精神的に傷付いたことも … ない

 Valerie Macys



(英文を、私なりに、なるべく忠実に訳させて頂きました)

CCTV for ALL Slaughterhouses から


乳牛の子牛のことについては 乳牛から生まれてきた子牛で を









'I arrived at the house on a late October afternoon.
The fall leaves were in full blazing glory,
and I noticed that the cows were even closer to the house than
I had expected.
I could actually hear them before I got out of my car.
When I turned off the engine, I knew immediately that
something was terribly wrong. I witnessed a scene of chaos.
Cows bellowed and stomped, staggering around the fields.
They banged into each other and pushed against the fence,
located approximately 20 feet from my car.
Dozens of them stood wild-eyed, snuffing the air, shrieking horribly.
Unfortunately, I knew all too well what their confusion
and turmoil was about."

"They've taken your babies," I said sadly, looking directly into one
cow's mournful eyes. They rolled back in her head as she bellowed
anew. Feeling sick to the pit of my stomach, I entered the house and
spoke to the curator, who also lives there. Her name is Mary.
"Those cows are frantic," I said. The wailing penetrated even inside.
I had never heard anything like it. "How long will this go on?" I asked.
"Until tomorrow," she replied.
"Then more slaughter trucks will come for them, and it will all be over."
I thought my heart would hit the floor.
I recalled the intense moment when I had stared at the
woeful mother cow, practically eyeball to eyeball."

Nothing really moves me to action like bearing witness,
as I did those days in West Virginia. Nothing is more traumatic
for me either.

Valerie Macys
by yayoitt | 2014-05-24 01:43 | 愛する動物のこと | Comments(6)
Commented by chocorachocora at 2014-05-26 13:19
悲しいね。
牛たちの一生って・・・

ふと動物の一生について考える時があるよ。
犬にしてもブリーダーのところで子供を産み、子供の成長をみることなく分かれる。
その場合は死ではないけど、犬はどう思っているんだろう。

分かれが「死」を意味しているこの牛とかの場合は?

そして、自然で子育てをして仲良く暮らしていたとしても、ある日突然に狩られてしまったら・・・

人間も同じ、平和な国日本では分からないけど、生まれて生きていくのが精いっぱいの餓えた地の人たち、紛争によって、いつ命を落とすかもしれない人たち・・・

そういう命にもし自分が生まれていたら? って・・・
Commented by nailedit at 2014-05-26 23:39
悲しい…そんな一言では済まされない。

慟哭のあとは 絶望がやってくるのだろうか。諦めがやってくるのだろうか。

胸がいたい
== == == == ==
ハロー ノーマン♡♡♡(^-^)/

Commented by ukfelines at 2014-05-27 02:48
「肉牛」とか「乳牛」とか家畜の肩書きを背負わされる前に

母性本能や感情を持つ命 だという事実、忘れちゃいけないよね。
Commented by yayoitt at 2014-05-27 03:13
Maama

乳牛とかのイメージって、なんだか、幸せで自由で、という
宣伝とかイラストとかが使われているけれど、実際には、とても
悲しい現実の、繰り返しなんだよね。

どうしてお乳が出るか、それは、繰り返し妊娠しているから。
だとしたら、その赤ちゃんは、どうなるのか …

その、繰り返しなんだよね。

牛たちは、母子の愛情がとても深くて絆が太いんだろうね。
その悲しみは … もしも、母親が、愛する我が子が、もうすぐに
屠殺所で殺されるのだなんて知ったならば …。

本当に、色々と想像して想定するよね。
もしも、自分だったら … もしも、この立場だったら …。
そういう想像力は、とても大切なこと。
想像力が、愛情の全てとも言えるかも知れないくらいに。

いつも、ありがとうね、Maama。
Commented by yayoitt at 2014-05-27 03:15
nailedit さん

そして …
それは、一度だけではなく、何度も、何度も、彼女たちが
乳牛である限り死ぬまで繰り返されるんですよね。

精神的苦痛の、繰り返し。
ただ子供を失うだけではなく、その我が子たちは、早期の死へと
追いやられて …。

本当に、胸が痛みます。

ノーマンから、ハロー♪ 返し!!

ふふふ

ありがとうございます。
Commented by yayoitt at 2014-05-27 03:16
リリちゃん

本当に、そうだよね。
命であること、母親であること、子供であること …
人のそれと、なにひとつ違わないと、いうこと。

ありがとうね。
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