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ベルギーの旅 ムール貝と両親
18日の土曜日に出発、その夜と日曜の夜は、ベルギーはブルージュに宿泊した。両親は以前にブルージュを2度訪れており、今回が3度目、マイケルは大学時代に友人と来たので2度目、私だけが初めてであった。この週末はとかく天気が良く、連日30度を越える暑さ!雲ひとつない夏日和だった。

ブルージュは、昔、港として貿易が栄え、その名残の運河が街を流れており、その後も布織物で栄えたりした裕福な街である。観光客が行き来する街の中心は小さいので、丸1日あれば、十分見て歩けるくらいだ。とにかく街がかわいらしい、建物や石畳の道、まあるい石橋の下を流れる運河…どれも絵になる…さすが日本人観光客、特に女性の観光客に人気がある理由がよくわかる。

父が先頭になり、確かこっちに行くと“マルクト広場(マーケットのこと)だ”とか、“聖血教会がこっちにあって…”と案内してくれた。到着の土曜日は、私が疲れきっていたので観光はしなかったが、夜の涼しい明るい街を歩いてみると、人もまばらでとても素敵だった。

夕食を摂るために裏庭のある、そして、一番大事な、ムール貝のあるレストランを見つけた私達、少し早い時間だったが、裏庭の鳥が鳴くテーブルを囲んだ。両親は、このムール貝が大好き(ベルギーで食べて虜になったらしい)で、メニューを見る前からニコニコ笑って“ムール貝よ、ムール貝”と繰り返していた。酒に弱いが味は好きだと言う父は、マイケルと一緒のベルギーぼフルーツビールを頼み、皆がそれぞれ注文が決まっても、私はメニューとにらめっこしていた。
なぜなら…とにかくヴェジタリアン料理が、ないのだ。どのレストランを見ても、常に同じヴェジタリアンメニュー1つだけ…ヴェジタリアンコロッケ…仕方なくコロッケにサラダを頼み、あとでワッフルを食べるんだと豪語した。

ムール貝は、鍋に一杯、しかももう1個鍋で蓋をして、奇妙な形で登場したが、大抵のレストランではこういう風に運ばれてくるらしい。初めて挑戦するマイケルも、ムールのとりこ…となり、私以外の3人、無言で貝を掴んでは口に運び、掴んでは口に運び…かなり美味しいらしい。コロッケはまずまず、マイケルのフルーツビールは、やっぱり下戸で苦い味嫌いの私には苦いだけで、ちょっとがっかりしたが、ワッフルで挽回(バンカイ)しようと、身構えた。

登場したワッフルは、私の思い描くワッフルと違うもので、長方形で柔らかく、硬さがどこにもなくて中もフワフワだった。どうやら、お店に行っても、2種類のワッフルがあるらしくて、そのもう一方がこのレストランでは出されていたのだ。私やマイケルが好きなのは、もう一方の、丸くて、硬くて重くて、外に砂糖がブツブツついている方…でもこれは夕食の後のデザートには確かに向かないかな?

ベルギーの夜は、スコットランドよりは早く更けるくせに、いつまでも明るいままのように感じられた。ブラックバードがヒュルルリと声をあげ、運河の水は緩やかで、石畳を行く人々は石橋に腰をおろし、暮れない空を見上げていた。4人で暖かな夜の風を受けて歩いていたら、前から男の子が、ビーグルを連れて歩いてきた。同時に母と父は、向かいの屋根の上に見えるコウノトリのようなペリカンが、果たして本物か偽物か、話し合っていた。マイケルと2人でまるでスパイのように、男の子とビーグルを追いかける…ビーグルが臭いを嗅いで立ち止まると私達も立ち止まるが、完全にばれていた。
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結局、ノーマンと同じ様に引っ張り、他の犬に対して喜び勇む様子を確認すると私達は安心して来た道を戻った。

そこには、美しい運河をはさんで立ち並ぶ、400年以上も歴史のある家々の前に2人、母と父がまだ口を開けたまま“あれは本物や、今首が動いたろ?”と真剣に話し合っていた。

下は私達が宿泊した Hotel Ter Brughe の外観
by yayoitt | 2005-06-20 20:04 | 両親が来た!
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