新しい水
食べ物なら、ちょっとくらい古くても平気で …

日本の食材は、3年くらい賞味期限が切れているけど気にしない。

落とした食べ物も ふーふー して食べるし …

看護師時代に、病院の廊下にパンを落としたとき、拾って食べたら …

さすがに同僚に こら 看護婦のくせに不衛生!! と叱られた。

だけど …

飲み物のこととなると、ちょっと気難しい。

新しく新鮮ということがわかっていないと、口をつけるのが嫌だ。

プールなんかで、口に水が入ると、衛生面の不安でパニックになる。

飲み水は、やっぱり新しく綺麗でないと耐えられない。

また、傍に水がないと、とても不安になる。

普段から多量の水を飲むから、いつも水が傍にあって欲しい。
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だからノーマンや犬たちにも、いつも新鮮な水を与える。

常に、沢山の新鮮な水があるように。

器が空にならないように …。

犬の水を、日に2~3度、取り替える。
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その時、いつも思い出す。

思い出す愛しい命がある。

オーリー のこと。

故郷で出会った、ゴールデンレトリーバーの男の子。

3年前に虹の橋の向こう側へ渡っていった オーリー

初めて彼に会ったのは、私たちがノーマンと故郷に住んでいた時。

近所の大きな家の横っちょのスペースに、大きな犬小屋があった。

私たちがノーマンと横を通ると、鎖で繋がった彼が激しく吠えたものだった。
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彼は 24時間 365日 そこに居た。

ご主人が帰って来ると、喜んで鎖で喉を締め付けながら迎えるけど …

車から降りたご主人は、いつも足を止めることなく家の中に入った。

氷点下10度の朝も、炎天下の午後も …

土ぼこりだけがある、犬小屋の板の上で耳を澄ませていた。

ご主人にお願いして オーリーを散歩に連れ出したとき …

彼は、躊躇することなく側溝の河にザブリと入ったんだった。
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どの日も、どの季節も、どの年も。

オーリーに会いに行くと、彼は土ぼこりで汚れていた。

私はいつも、彼の水のことが気になったもので …

飲み水がちゃんとあるのか知りたかった。

繋がった鎖が許すスペースの中には、ひとつだけ洗面器が置いてあった。

洗面器には 土 死んだ虫 葉っぱ 枝 小石 なんかが入っていた。

水があることもあったけれど、ないこともあった。

水があっても、それは、雨水のようにしか見えなかった。

新鮮で綺麗な水が洗面器に満たしてあったことは、哀しいかな … なかった。
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オーリーの暮らすスペースの、家の建物の外壁に水道がひとつあったから。

そこで洗面器を指で洗い、新しい水を満たして地面に置くと …

ものすごい勢いで、それを飲むのだった。

 やっぱり 新しい水が良いよね

 いつも水が飲めるのが良いよね

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彼はもう、いない。

立派に見える犬小屋と、ブランケットもない冷たい板と …

その周りを囲むウンチとオシッコと …

ひとつの光景しか見ることのない24時間と …

隣からこぼれてくるご主人の話し声と …

されど誰も、彼に話しかけることのない365日と …

飲めない水に諦めながら、慣れながら。
by yayoitt | 2011-12-21 03:32 | 迷い犬、犬のこと | Comments(11)
Commented by chocorachocora at 2011-12-22 12:46
オーリーは、誰にも気にしてもらえなく、ひとつの景色しか見ないで、
置きっぱなしの水だけを見て旅立ったんじゃなかったよね。
やっこちゃんと出会って、小さな幸せの思い出を持って旅立ったよね。
今頃は虹の向こうで走り回って、澄んだ水をたっぷり飲みながら、やっこちゃんのこと思い出しているよね。
Commented by tui at 2011-12-22 21:43 x
オ~り~


ひどいな。。
そして、ありがとう、やあこ!
オ~リ~は、きっとキミに幸せをもらってたはずさ。

水・・俺も最初に動物とともに生きた動物園で先輩に身をもって教わったよ!!
朝、ライオンの檻の各部屋から10頭あまりのライオンをパドックに出し、掃除をして水を新しくする。
お昼くらいにライオン舎を見に行くと・・すべての水桶がひっくり返ってる。
毎日毎日続く・・ある日、先輩がひっくり返しているのを目撃した。
水に埃や毛が入ってたんだ。。
ライオンに失礼だって言われた。
そうか~、野生のライオンはそう簡単に水は飲めないだろう。
好きで人間に飼われてるわけでもないはず。
人間に飼われる意味や動物園の意義を考えさせられた。
だったら、ヒトとともに生きるメリットを最大限に提供することが、俺の使命だと思った。

なんか、やあことのこういう共有がたまらなく嬉しいのだ!!ハハ
Commented by coco at 2011-12-23 19:10 x
オーリーの飼い主はもう2度と犬を飼ってはだめだよ。

過去録にいき、私も号泣しそうになりました。
また、また胸をかきむしりたくなりました。

やっこちゃん、ありがとう。
Commented by kep at 2011-12-24 03:30 x
愛情の反対は憎しみではなく無関心 憎しみも相手に関心があるから 無関心ほど 辛い仕打ちはない そのとうりですね

Commented by yayoitt at 2011-12-24 05:00
maama

私が彼と一緒にいた、ほんの短い時間 …。
それをすることが、本当に彼にとって良いことかどうかわからず
今もまだ、わからないままだけれども …。
でも、maama がそう言ってくれたのを聞いて、少しホッとした
嬉しい気持ちになれました … ありがとうございます!

もしも、あのままずっと飛騨に住んでいたら、もっと毎日でも
おうちの方の代わりに、散歩に連れ出したのだろうに …。
それができないことをわかっていて、たった数日だけ、関わって
良かったのかな … って悩みだった。

きっとオリーは、ショコラとも出会ってるね!!

ふふふ 

ありがとうね、本当に …。 
Commented by yayoitt at 2011-12-24 05:05
といち

本当に、こんな中途半端な関わり方をした自分が、良かったのか
悪かったのかが、今でもわからないでいるけれど …。

あの日のオーリーは、とっても元気で幸せそうだったよ。

水は … もしかすると食べ物よりも大切かも知れないものね。
水が常に、新鮮な水があることって、最低限の飼い主の責任だって
思うよね …。

といちには、そんな素晴らしい経験がいっぱい、あるんだね。
ひっくり返していたのは、先輩だったんだね。

… 人と共に生きるメリットを最大限に提供すること

まさに、その通りだって思う。
人間の都合で、人間の下で生かされている動物ならば
そうだよね、いつも感謝して、彼らに最高の もてなし を
しなくちゃだよね。

私も、こういう 共有 を発見すると、すっごく嬉しい!!

ははははは でへ 
Commented by yayoitt at 2011-12-24 05:10
coco さん

私も、そう思います。
そういう 飼い方 ならば …。
外で飼うことは、仕方ないとしても、愛情も、また、必要最低限の
動物が必要とする もの さえ満たせて上げられないのなら …。

本当に、彼を見るのは辛かったです。
なんとか、私の でしゃばり の行動が、ご主人家族の目に
オーリーはなんて、良い犬なんだろう! と思わせるきっかけに
なってくれれば … と思ったのですが、結果、どうだったのかは
本当にわかりません。

悲しさを、辛さを、共有してくださって、ありがとうございます。
辛い思いをさせて、ごめんなさい。

でも、嬉しかった! ありがとうございます!! 
Commented by yayoitt at 2011-12-24 05:15
Kep さん

… 愛情の反対は憎しみではなく無関心

まったくに、その通りだと思います。
無関心 …
命なのに、責任はその手の内にあるのに、興味がなく
仕方がなく、それ以上の何ものも提供しない …

命なのに …。

辛すぎます。

まさに、その言葉通りです。
Kep さん。

無関心 になるのなら、最初から 生活の中に命を招きいれよう 
なんてしないでくれと、言いたいです。

ありがとうございます。
Commented by カリーノパパ at 2011-12-24 11:51 x
日本では、まだ犬を外に繋いでおく家が結構ありますよね。
我が家の近所にも、柴犬が玄関先に繋がれていました。
その家の前を通る度に、「いつも一人で寂しいだろうな」と思っていました。
夕方になると、家に向かってワンワン吠えていましたが、きっと食事の催促をしていたのだと思います。
その柴犬も、いつの間にか見かけなくなりました。
きっと虹の橋を渡ったのでしょね。
散歩の時くらいしか、家族と話す機会も無いというのは、やはり寂し過ぎるように思います。
やっこさんに、新鮮な水をもらった時、そして散歩に連れて行ってもらった時、オーリーは、きっととても嬉しかったことでしょうね。
オーリーの御冥福を心からお祈りいたします。
Commented by yayoitt at 2011-12-25 04:49
カリーノパパ

田舎なんかに行くと、よく犬はまだ家の外で繋がれて暮らして
いますよね …。日本の生活様式が、靴を脱いで上がるものだから
なかなか犬と家の中で暮らす、ということを躊躇される方は
多いかも知れませんよね。

どうしても、一緒の空間で暮らさないと、わからないこと、
知らないままでいること、気が付かないこと、湧かない愛情って
あるものですよね。

犬は家の中で暮らすべき! とは言いませんが、外で暮らさせて
あげるのでも、愛情(注目)、食事、新鮮な水、健康管理、
心地良い寝場所、必要な運動量 という最低限のことは
ちゃんと満たせてあげて欲しいですよね。
Commented by yayoitt at 2011-12-25 04:49
続きます

同じ故郷で、やっぱりずっと外で繋がれて暮らしていた柴犬が
いましたが、ある年に帰ると、姿がないので、玄関に入って
尋ねたら … もう年だから、夜は家の中で一緒に眠るんです
とご主人が犬を抱きながら仰ったのを聞いて、涙が出るくらい
嬉しかったことがあります。

カリーノパパ。
今日、たまたま、こちらの新聞で、日本のペット事情を伝える記事を
読んだところです。また、ご紹介させていただきますが …。

どうして人って、自己中心なんでしょうね …。
同じ命なのに … つくづく、そう思います。

本当に、ありがとうございます。カリーノパパ!!
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