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怖いおじちゃん 口うるさいおばちゃん
怒られて、大きくなった。

怒鳴られて、学んできた。

良いことと悪いこと。

それは、親と学校だけではなく、色々な大人たちが教えてくれた。

近所には必ず居た。

 怖いおじちゃん 怖いおばちゃん 怖いおじいちゃん 怖いおばあちゃん
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今でも忘れられないことがある。

家の前の道を、自転車に乗って走っていた、真っ赤なリンゴ頬の私。

1人で、道の脇にある側溝のフタの上、わざとガタガタ音を鳴らして走っていた。

何度も往復して、大きな音を立てることに夢中になっていた。

そして、何度目かの往来時だった。

気が付くと、目の前に、1人のお爺さんが立っていた。

その家のお爺さんだった。

顔は知っているけれど、言葉を交わしたことなどなかった。

 こらぁ~っっ

お爺さんの形相と大声に驚き、自転車を飛び降りた。 

 うるさいぞ 迷惑やぁ~!! 
 
界隈に響き渡る声。

近所の子供が振り返る。

私は確か、小学校の低学年だったと記憶する。

自転車を持つ両手が震えた。

とっても怖かった。

私は、ようやく気が付いたのだった。

 うるさかったのだ

と。

 人に迷惑をかけていたのだ

と。
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ちゃんと、言葉に出してもらわないと、気が付かないことがある。

人様の気持ちになって、考えれるようになるには ・・・

自らが経験するか、誰かが強く教えてくれないとできないことがある。

 すみません ・・・

着物の胸元をきちんと合わせた、お爺さんは、背を向けて家に戻っていった。

数十メートルの自宅までの帰り道。

自転車を押しながら、私は泣きそうだった。

怒られたことが悔しいとか、悲しいとかの、感情ではない。

自分が、他人の迷惑になっていたことへの ・・・

それなのに、気が付かずに何度も平気で繰り返していた行動への ・・・

恥かしさ と 後悔 と 憤り だった。
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褒めて伝わることには限りがあるのかもしれない。

時には、ムチをもって伝えなければいけないことがある。

そうしないと、一生、心に残らないことがある。

私達の幼少時代には、必ず居た。

 怖いおじちゃん 怖いおばちゃん 怖いおじいちゃん 怖いおばあちゃん

彼らは、とても貴重な存在だった。

子供が彼らに対して 怖い と抱く感情が 人を敬う ことを教えた。

日本には、年上、目上の人に使う言葉がちゃんとある。

怖いおっちゃん たちは、そういう文化に息衝いた存在だった。

今でも、居るのだろうか? と考える。

他人の子供を、叱ってくれる大人が。 

 ちゃんと怒ってくれる人 とは ・・・

 自分に、関心を向けてくれていることだ と ・・・

子供は、知っている。

 無関心こそ、悲しいものはない と ・・・

子供は、感じている。









 
by yayoitt | 2010-11-02 05:17 | 思い出
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