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Replace(代わり)じゃない
Sandy(サンディー) は、突然、虹の橋を渡った。

8歳のコッカースパニョル、その燃えるような砂の色は名前の通り。
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ご主人夫婦(Mr & Mrs I) は、とても悲しんだ。

時間がどれだけ経とうと、その痛みを完全に消してはくれないことを知っていた。

Sandy が虹の橋を渡ってから1週間後の昨日 ・・・

Mrs.I から電話があった。

新しいコッカースパニョルを迎えたのだと言う。

電話に応対した私は、心の底から、喜んだ。

Mrs.I は何度も言った。

 こんなに早くにね、新しい犬を迎えるなんて思ってもいなかったの

 ただ、レスキュー団体から連絡が来て、とても良い子が居ると言われて ・・・


まるで、自分に言い聞かせるように、何度も。

 決してね、SandyのReplacement(代わり)なんかじゃないのよ

 Sandyとね、同じ色、同じ背の高さ ・・・

 こんなに早くに、とは思っていなかったのよ


私は、その動きが、とても良い動きであると、思った通りに伝えた。

それでも Mrs.I は Sandy に悪いと思って疑わない。
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愛する命を亡くしたとき、飼い主さんが選ぶ道は、色々である。

・・・ すぐに新しい命を迎える

・・・ 2度と命を迎えない

・・・ 長い時間を経て新しい命を迎える


その選択は、とてもプライベートで繊細で、唯一のものである。

他の誰かが、その選択に関して、適切、不適切を言うことはできない。

莫大な悲しみを克服する飼い主さんのその選択に、適切、不適切はないはずだ。

それでも、飼い主さんは葛藤をするのだろう。

愛する命との別れという悲しみを背負いながら、傷付いた羽根を休ませながら ・・・

欲し、葛藤し、立ち止まり、引き戻され、拳を握り、首を振り ・・・

そして決断するのだろう。

2度と、同じ思いはしたくない人もいる。

そういう決断。

犬(猫)と一緒に暮らした時間をすぐにでも取り戻したい人もいる。

そういう決断。

どういう決断も、そこに要した時間も、それはその人だけのものだ。

その人だけの方法で、心を癒すものなのだろう。
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 決して代わりじゃないんだよ ・・・

 決して忘れたわけではないんだよ ・・・


Mrs.I に、本当は伝えたかった。

 痛いくらいに、それはわかっている

 大丈夫

 誰も、虹の橋を渡った命も、そんな風には思わないから

 それはむしろ、とても喜ばしいことで、虹の橋の命も喜んでいるはずだから


燃えるように輝く砂色の毛並み。

Poppy(ポピー)1歳 女の子 は明日、病院にやって来る。
by yayoitt | 2010-02-05 06:04 | 動物病院での出来事、仕事
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