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タブー香水グラマラス母ちゃん
彼女が書いた詩が、なんでも、大きな賞をもらったのが30数年前。

そして、彼女の長女と詩を書いて、2人して大きな賞を貰ったのが30年前。

その賞品が、ヨーロッパ旅行だった。
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母にとっての、初めての海外旅行で、ヨーロッパ旅行。

それは、彼女のその後の人生を、大きく変える経験となった。

彼女の ここはヨーロッパよ妄想 が始まって、彼女の手にする物がロココ調してきた。

古い畳の上に、ロココした時計が登場した。
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雛人形もなかった我が家に、ベルサイユのような椅子が置かれた。

仕事を変えたばかりで経済的に苦しかった父が、自家用車から小さなバンに変えた時。

母はその、白い軽のバンに ベルサイユ という名前をつけて愛していた。

数年後、ベルサイユ と別れる時には、真剣に泣いていたのも覚えてる。
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元々、ヨーロッパ絵画やクラシカル音楽が好きだった母。

生まれた時から、飾ってあった唯一の絵が、モナリザで怖かった。

古い黒い四角い大きなラジオは、NHKクラシック 以外のチャンネルには合わせない。

そんな母 ・・・。

彼女は、ヨーロッパに出掛けてから 香水 の虜にもなった。
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一番に好きだ というのは Poison(ポアゾン)。

タイからの帰りに、偽物のポアゾンをお土産にしたことがある。

 やっこちゃん、こりゃな、偽物やな

 匂いがな、すぐにたってまうわい、ま、使うけどな


と、首にシュッシュと執拗に振りかけながら言った。

 ば ・・・ ばれた ・・・
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香水 といえば、それが周囲の人を心地良くも、不愉快にもする。

だから 香水 の使い方には、細かなルールやタブーがある。

母は、虜なんだけど、使い方が間違っている。

一番のタブーということを、ずっと続けている。

それは ・・・ 

 幾つも違う香りを身に付けること

だ。

ただでさえ、香水の付ける量が多く、スプレーならば身体中10プッシュはする。

ポアゾンでされると、近くで10分と一緒にいられない。

 香水は、付けた本人は鼻が慣れるから、匂いを感じなくなる ・・・

彼女はこれを、理解していないらしい。

説明しても ん~~~ シュッシュッシュ と聞く耳を持たない。

この量で、しかも香りが幾つも混ざっていたら ・・・ 頭は鈍痛、目もしばしばする。
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都会のデパートに行くと、ウキウキしながら香水売り場に向かう母。

もちろん、朝、家で香水を10プッシュくらい付けている。

そして、片っ端から ・・・ 耳 首 手首の内側 スカートの中 へプッシュする。

必死に止めようとしても、ウキウキした母は、走るのが私なぞより断然、速い。
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ある日、香りを確認もせずにシュッシュシュッシュしていた母。

いつの間にか、紳士用の香水売り場に混ざり込んでしまったらしい。

満足気に、車に戻って来た母からは ・・・

ものすごく強い 甘い 危ない 淫妖で 甘い 女の香りに加えて ・・・

時々、ふっと CK1カルヴァンクライン ワン が漂っていた。

その頃、CK1を付けた男性を愛していた私。

 おっっ 母ちゃん グラマラス ・・・

と不覚にも、瞬間、思ってしまったのであった。 
by yayoitt | 2009-10-25 03:28 | 遠くにて思う日本
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