悲しい墓標とと、母の涙
 小学校の2年の夏、私は 昆虫採集 をした。

 夏休みの 自由課題 の為に、したのだった。

 父親と山に登り、息を呑んで美しい虫を捕まえた。

 そこで生きている虫たちを、プラスチックの籠に押し込めた。
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 自慢気に家に帰った時。

 私と父の持ち帰った命を見て、母が泣いた。

 色鮮やかな蝶々の羽根は、枯葉のように乾いていた。

 トンボも、必死に逃げる動きを止めていた。

 まだ、そのふっくらした体が、確かに上下に呼吸しているのに。

 そこに、ピンを刺した。

 母は泣いたまま、どこかに隠れていた。

 隠れて、両耳を必死に塞いでいた。

 私は確か、ケラケラと笑って、軽々しいことを口に出していたんだった。

 えい、死ね 

 とか

 こら、さっさと死ね

 とか ・・・ きっと。

 夏の終わりに、私はその 悲しい墓標 を誇らしげに学校に持って行った。

 誰がどんな評価をしたかも、何一つ、覚えてなんかない。

 その後、その墓標がどうなったかも知らない。

 ただ、その夏の母が、よく泣いたことばかり、記憶している。

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今になって、この時の母の気持ちが、痛いほどよくわかる。

あの時、どうして私は、あんな風に笑っていたのだろうか。

あの夜、いとも簡単に私は、幾つもの命を 殺した ・・・。
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ハエが飛べば、叩いて殺すもの と決めていた。

蛾が羽ばたけば、怖くて逃げるもの と思っていた。

なんで感じられなかったんだろう。

なんで考えなかったのだろう。
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確かに、私は 殺す ことで 自分の力 を誇示した。

この手が犯した罪を、一生抱えて生きて行く。

心の傷となり、たびたび蘇り、背負って生きる。
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あの子が奪った命は、二度と戻ってはこない、蘇らない。

どんなに泣いても、謝ったとしても、その手で奪った命は ・・・

羽ばたきはしない。
by yayoitt | 2009-04-02 04:53 | 愛する動物のこと | Comments(18)
Commented at 2009-04-03 06:54
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Commented at 2009-04-03 08:25
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Commented at 2009-04-03 10:12 x
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Commented by ピータン at 2009-04-03 12:20 x
私も子供の頃は、昆虫採集していたし、「外来種は悪だ!」ということで、アメリカザリガニを陸に上げて木の棒でたたいてしまった記憶があります。さすがに、これは私も同様に重荷となって残ってます。
Commented by ゆた。 at 2009-04-03 21:30 x
こどもって残酷なものなんだよ。
オトナになって気づくのは、
そういうお母さんに、
多くの言葉であれこれいわれなくても
つつみこむように、大事にされていたから。
そんな残酷さをのこしたままオトナになっってるヒトだって、
すくなくはないんだから。
やっこちゃんのお母さんに、ふかく感謝だよね。

Commented at 2009-04-03 22:16 x
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Commented by kworca at 2009-04-04 00:58
やっぱ、本当にボディーピアスすべきかも… って、ウソウソ。
虫に関して私が一番深く反省してる思い出は、小学生の時1つ下だった男の子に「虫も生きているんだよ」と諭しておきながら、翌週友達とバッタ取りをしているところを、その子は遠くからジッと見つめていたこと。
その子の悲しさや批難が入り交じった、困惑した瞳が今でも忘れられません。
やっぱ私こそボディーピアスすべきかも…
ぶっといヤツをど真ん中に…
Commented by chocorachocora at 2009-04-04 19:58
子供の心って、大人には理解できないほど残酷なところがありますよね。
そういう経験を通していろんな痛みが分かる大人になるのかもしれませんね。
その時のお母さんがこれだけ印象に残っているということは、やっこさんの心に何か響いたのでしょう。お母さんはとても心の優しい方ですね。やっこさんとそっくりですね。
Commented at 2009-04-04 22:15
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Commented by yayoitt at 2009-04-05 01:48
鍵コメ at 2009-04-03 06:54 さん

そうなんだよね、子供の頃 ・・・。
もう2度と、あんな残虐な人間にはなりたくない ・・・ って思う。

うん、死んでいく姿も平気で見られた。
本当に、そうなんだよね ・・・。

そうなのかも、知れない。
殺して、そして初めて、その儚さを知る。
自分の決して強いわけでもない、ただの弱さを知る。
高慢さを、知る ・・・ そうなのかも、知れない。

でも、もしかしたら、同じように殺しても、
やっぱり、ずっと何も感じないで大人になる人もいるよね。
平気で、いられる人も、いられるようになる人も、殺し続ける人も。

私は2度と、あんな(自分自身)子供に戻りたくないって思う。
そんな子供を目の前にしたら、いったい、どういう言葉を掛けるだろう。
悪の塊りでしかないように、思える、過去の自分 ・・・。
どんなことがあっても、やっぱり消せない過去だね。
背負い続ける。

おおおおおおっっ

そ、そうなん?
ふふ 良かったぁ~~。だって、おめでたいもんっっ。 ふふ 
Commented by yayoitt at 2009-04-05 01:48
鍵コメ at 2009-04-03 08:25 ちゃん

ありがとうね!!
あたいの、メッセージも残したからね!!
なんか、はっきり決めてなくてごめんよ~。 
Commented by yayoitt at 2009-04-05 01:49
鍵コメ at 2009-04-03 10:12 さん

そちらに、鍵コメするよんっっ うふふ 
Commented by yayoitt at 2009-04-05 01:52
ピータンさん

その、アメリカザリガニの話、前に教えて下さいましたね。
本当に、子供って、大人になった今では考えられないことを、
してしまうものなのですよね ・・・。

何故なんだろう。

これも、教育される、大人になる段階のひとつ、なんでしょうか。
なんだか、でもそれを、確かに 罪 とか 悲しいこと として
今感じているということは、命を犠牲にしながらも、何かは学んだ、
ということなのかも ・・・ 知れませんよね。そう信じたい。

Commented by yayoitt at 2009-04-05 01:56
ゆた。さん

・・・ こどもって残酷なもの

やっぱり、そうなんですかね ・・・。
そう思うと、親の行動、考え、感情は、なんて大きく
子供に影響するものなんでしょうね ・・・。

本当に親とは、良い意味でも悪い意味でも 偉大な存在 ですね。

あの日の母のことは、一生、忘れません。
そして、虫の動きも、苦しみも ・・・ 一生、背負って生きます。

ゆた。さん、あの日の 残虐な子供 という殻を脱ぎ捨て、
2度と、あの日の自分には、戻りません ・・・。 
Commented by yayoitt at 2009-04-05 02:00
鍵コメ at 2009-04-03 22:16 さん

鍵コメさんにも、そんな想い出が、あるんですね ・・・。

そうなんですよね、恐ろしいって、思います。
あんな子供(自分自身)と道でばったり出会ったら、
私は一体、何て言うだろう、何て言葉を掛けるんだろうって、
よく、考えるんですよね ・・・。

そうですね、その消えない記憶のお陰でも、ありますね。

おおおおおおおおおおおおおおっっ!!
嬉しいです、嬉しいです ・・・ って、もうメール済みですが(笑)。

とっても楽しみにしています。

あの、以前に頂いた お土産のクッキー を、あそこで
いっぱい買って帰りたいって、今からもう、思ってるんですよ!!

ふふふ 
Commented by yayoitt at 2009-04-05 02:04
桂子っちん

本当に、どんな罰でも受けるよ ・・・ ほんとほんと。

ボディーピアス、あかん、あかん。
ちょろすぎるから ・・・。
そうそう、胸に、でっかい十字架を ・・・ 

そんなことしても、あの悪魔の子供の奪った命は、
戻らないんだよね ・・・ 二度とはなぁ ・・・。

男の子に諭してしまった桂子っちん ・・・

なんだか、ちょっぴり想像できて笑ってしまった、ごめんごめん。

これまた、なんだか、物語みたいだなぁ ・・・。
経験の中の何かが、ちゃんと 罪 を意識させてくれるんだね。

ヘソピアスにしますか?
まず、ダイエット ・・・ ぶふふ またまた、ごめん。 
Commented by yayoitt at 2009-04-05 02:10
chocorachocora さん

本当に、そうなんですよね。
大人になると、忘れてしまう、その時の気持ち、理由 ・・・。
子供なりの気持ちや感情は、なんて興味深く残酷なんだろう。

うんうん、色々な痛みが分かるようになれば、良い。
でも、やっぱり、それでも殺し続けても平気な大人も、いる。
それを分けるのは、親の言葉とか教えなんだろうね ・・・。

あの日の母を、私は笑ってたんですよ。
でも、同時に、ずっと忘れられずにいたということは、
うんうん、確かに、罪や後悔なんかを、感じていたんだろうな。

母は、虫も植物も、物でもなんでも かわいそう かわいそう 
と思う人なんです、だから、物も捨てられない ・・・ ぶふ 

Maama、うちの母親と、バザーのこと語ると楽しいですよ。

やつは(母のこと)、ベテラン(爆)!! 
Commented by yayoitt at 2009-04-05 02:10
鍵コメ at 2009-04-04 22:15 っちん

本当に、おめでとうよ~~~~。

ふふふ
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