トラと人の境界線を守る犬
自然環境破壊 生態系の崩壊

人間の生活が自然環境に及ぼす影響は、野生動物を、人里へと向かわせる。

木々をなくし、土地を追いやられ、餌として来た動物が減少し

子供を育てて、生きて行く野生動物は時に、人間の住む場所に向かう。

それは ・・・ 人間が侵してきた自然環境からの 答え なのだろう。

生態系の頂点に立つようで、生態系から外れている 人間

その時、人間側は、どうやって自らを守り、また 自然 をも敬うべきか。
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 バングラディッシュの、ある村で抱えている問題がある。

 サンダーバンズという森 ・・・ そこに住む ベンガルタイガー

 村の住民は、年に一度、大きな行事として村から川を渡って森に入る。
 そこで、ハチミツの為の蜂の巣を採って帰って来る。
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 森に入った男たちの多くが ベンガルタイガー に襲われて死んだ。

 人間の血の味を知った ベンガルタイガー は人里に近付くようになり、
 毎年、50人もの人々が、トラによって殺されている。

 畏れ敬い、距離を保ち、共生してきたトラは、憎しみとなり、
 生を脅かす恐怖の対象になってしまった。

 ある日、数十人もの村人により、一頭のトラが棒で殴り殺された。
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 1974年以降 ベンガルタイガー は法律上に保護されてきたが、
 村人は、自らを守る為に、トラを殺し続けている。

 現在、300~500しか、その森で生存していないと思われるトラたち。

 村人の命を引き換えではなく、トラの生を守る ・・・

 そこでZSL(Zoological Society of London)という
 チャリティー団体が動いた。

 殺す のではなく 近付けない 為に ・・・。

 野生動物と人間の間に、敬いを持って 距離 を置ける為に ・・・。
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 村を歩き回る 野良犬 を トラハウンド に仕立て上げる

 村人と共に、団体側の犬の訓練士が、適した野良犬を選ぶ ・・・
  (この間には、野良犬へのワクチン接種などもされる)
  (大きな広場で、沢山の村人が見守る中、色々なテストをする)

 点数で適正を判断するから、見ている人々は、とても興味を抱く ・・・
  (人間の下で働くので、人間との信頼関係を築き上げるコマンドを使う)

 点数の高い数頭の犬を トラハウンド として教育する訓練が始まる ・・・
  (リードを付けて人と歩くこと、人の手から優しく餌を食べることなども)

 村人の中から選ばれた訓練士も、犬と共に頑張ろうと努力する ・・・

 そして、時間を重ねて トラハウンド とその 調教者 が生まれる ・・・
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 今まで誰も目を向けなかった野良犬たちは、村人のアイドルとなり、
 優しい目を、興味の目を、尊敬の目を向けられるようになる。

 そして、夜になると村に姿を現す恐ろしいトラを、村から遠ざける為の夜警が
 始まるのである。

 リードを付けられた トラハウンド を連れて、村の男たちが村を歩き回る。

 犬たちは、決して トラと戦う のではなく トラを感じたら吠える 
 ように、訓練を受けているのである。
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人間と、野生の動物との関係が崩れた場所で、たとえそれが

人間の蒔いた種であったとしても、人間は自分たちを守らなくてはいけない

守る為に、ただ殺すのでは、解決には決してならない

野生動物との距離を保つという教育 ・・・

時間と手間は掛かっても、それは人々の心と脳裏に焼きつき

心が変わり、そこから行動が変わる ・・・ 

そして歴史になる

恨む 気持ちよりは 敬う 気持ちの方が、ずっと受け継がれる

by yayoitt | 2009-01-31 21:38 | 愛する動物のこと | Comments(11)
Commented by kworca at 2009-02-02 16:31
贅沢な欲求によるものなら以ての外ですが、人間側も動物側も「生きる為」となると問題は複雑になり…
そして、こういう問題はあちらこちらで多発しているようですよね。
絶滅に追いやる課程は、こういうことなのでしょう。

そんな中のこういう試みは、とても有意義ですね。
人も野良犬もベンガルトラもみんな傷つくことがなく、そして心に余裕も出来ればベンガルトラが飢えることがないような工夫も考えられるかもしれない。
無関心・邪魔者扱いから利用へ、利用するという意識から絆へ、敵対から共存へ…
そうやっていけると良いですよね。
Commented by ひろみ at 2009-02-02 21:12 x
多分同じプロジェクトについてだったと思うんだけど、先週にBBCのNatural Worldで放送された番組を見たよ!

人とトラの衝突でトラが酷い最期を迎えたりと、心が重くなる場面もあったけれど、沢山の地元の人たちがトラの存続を願ってくれていることが、なによりもすごく嬉しかった。

元々、インドの人たちは野生の動物を尊重して共存してきたのに、そのバランスがどうしようもなく崩れてしまったんだよね...。

訓練を受けることで、別犬のように生き生きとし始めたタイガードッグたちも印象に残ったなー。
Commented by tui at 2009-02-02 23:48 x
共存の1つの、いや大きな姿。

西洋のヒトは、タイガーというとエスニックな神聖な動物というイメージがあるみたいだよね!

きっと、バングラディッシュの人々にも神聖なイメージがあるんだろう。
たまに「神」という存在のことを考える。
ヒトが決して踏み入れてはならない「神聖」というライン。
社会では倫理と言われるライン。
それぞれの地にある神の姿って、地球自然とのラインそのものじゃないんかな~・・。
このラインを越えることは、人類の自滅を意味するということ。
そして、地球の破滅を意味するということ。
恨みより、敬う心が受け継がれていく・・大切なことだ。

近代的、ハイソサイアティーな社会の人々より、発展途上のプリミティブな社会の人々の方が、単純なようで、知ってるところが結局、深かったりするよね。

こういう活動を全く知らなかったよ。
ありがと。。


Commented by yayoitt at 2009-02-03 06:53
桂子っちん

そうなのだよね ・・・。
人間も動物も 生きる為 に起こる問題はね ・・・。
だからこそ、間違った解決をしてしまわないように、人間を
導くという教育が、大切なんだよね。

絶滅に追いやる課程 ・・・ 一度に殺してしまう数は少なくても、
確実にこうして、絶滅へと追いやってしまうよね。
この村人たちも、それを望んではいないのだよね ・・・。

そう ・・・

野生の動物を、人間の引いた境界線を、人間が示してあげつつ、
そっと来た場所へと返してあげること、導いてあげること。

命を、お互いに 抹殺 しない方法なんだよね。

共存 ・・・。

本当に本当に、それを望むよ。
いつもだけど、日本の熊のことを ・・・ 思うよ。 
Commented by yayoitt at 2009-02-03 06:57
ひろみさん

そうです、そうです!!
その番組です!!

私も、それを見て、この記事を書いたんですよ。
色々と検索して、色々と付け足して書いてみました。

BBCのNature World!!!

あの、棒で叩き殺されたトラの映像は、悲しかったよね。
悲劇としか言えないものね ・・・。
村人も、決してそれを望んではいないのに ・・・
恐怖だから、命を脅かされていたから ・・・

・・・ インドの人たちは、野生の動物を尊重して共存してきた

そうなんだよね。
そのバランスが崩れた今、とても戸惑うよね。

うんうん、こういう教育って、身体と頭と心に染み付くんだろうな。
そうして、語り継がれるんだろうな。

愛されて慕われ始めた犬たちの姿 ・・・

とっても嬉しい番組だったよね、そして、それが現実!!
とても良い番組を、見れた、って感謝したよ。
ひろみさん、ありがとうね。同じものを見れて嬉しい!! 
Commented by yayoitt at 2009-02-03 07:03
tui さん

絶滅危惧でもあるから、東洋に生息する、トラに対しては
やはり、とっても神聖な動物というイメージが、確かにあるみたいです。

そうみたいです、畏れ多く敬って生きてきた、お互い近寄らないように
して生きてきた、トラと人々だったのですよね。

だから、殺したりなんかしたくない ・・・。
元々に、こういう彼らの 思い があるからこそ、
このプロジェクトが成功してるというのも、あると思います。

本当に ・・・ 神 なのかも知れないですね。

そう、野生は、自然は 神 であるべきなんだろうと。

神聖 というライン。
倫理 というライン。

あぁ ・・・ なるほど ・・・。

Tuiさん、私も思います。
まさに、言い当ててくださったって感じです。
・・・ このラインを越えることは、人類の自滅を意味する

本当に、その通りだと思います。
今の地球の現実が ・・・ そうですよね。

地球の破滅に、きっと向かってる。
Commented by yayoitt at 2009-02-03 07:03
ちと、続きます


そういう 神 を生活の中で心得て知っている人々が、
私たち先進国の人間よりも、深く感じ取っていることは、きっと
きっと、大いに違いありませんね ・・・。
Commented by ももこ at 2009-02-03 08:08 x
共に生きる
共に生きる 人間の知恵
人には 知恵がある
その知恵を うまく使うか否か?
森の中の動物たちの為に、
その動物たちは、我々人間よりも先に、
そこで生きていたのだから・・・。
人と動物が それぞれの場所で共に生きる。
自然のままに・・・。

野良犬だった犬たちと、
村の人々が共に暮らせるようになり、
野良犬は、人の役に立ち、人は野良犬を野良犬としてではなく大切な犬として接する。
本当に良かったね。 人の素晴らしい知恵だよね~?

やっこちゃんのブログで、今まで知らなかった色んな事を教わる。
発信して下さって、ありがとう。
Commented by kumatenosofu at 2009-02-03 09:26
人と動物の境界、、、
クマを人里に近づけない為に同じような役割の犬たちがいると聞きました。同じように殺すのではなく「ここは君たちのエリアじゃないよ」と
教えてあげる。

こうやって共生の道を見出す姿勢は嬉しいですね。
限りある土地、自然を分かち合うという取り組みが増えて欲しいものです。

実家の犬は生前、父の渓流釣りのお供してました。
父も犬と一緒なので安心して楽しめたんでしょう。
野生動物を見つけるのが上手な子だったから、色んな動物と
出会っていたようです。普通の生活の中にだっていくらでも
組み込めるのかもしれませんね。
Commented by yayoitt at 2009-02-04 04:24
ももこさん

そうなのですよね、人間に与えられた それが特別の知恵で
あるのならば ・・・ 滅びに使うのではなくて、いかに、上手く
使えるかどうか ・・・ それが、鍵になるのでしょうね。

いつも、野生動物との境界線の崩壊は、人間側からなのですよね。

お互いを敬い合って生きるのであれば、お互いが、畏れ合って
お互いに距離を置き、目を合わせぬように生きて行くべきなんですね。

本当に、思います、こういう風に、一度、人間が壊した境界線を
人間への教育という形で修復を目指せたら ・・・
それは、末永く効果的な解決になるのですよね!!

人の、素晴らしい知恵!! その通りです。嬉しいです。

ももこさん、感じて下さって、ありがとうございます!! 
Commented by yayoitt at 2009-02-04 04:33
いさなさんっっ

人と動物の境界 ・・・。

クマを人里に近づけない為の ・・・

そうなんだぁ、それは日本でなのかな?
確かに、秋田犬の役割は 熊狩り(これは結果的には熊を殺すけど)
の為だったり、犬が人の為に、こういう(あくまでも誰も殺さない)形で役立ってくれるのは、本当に嬉しいことだよね。

熊と犬、トラと犬 ・・・ それぞれが違う種であっても、
野生動物の場合、掟は ひとつ なのかも知れないよね。
それを、好き勝手に無視して破っているのはきっと、
人間だけなのだと思うよ ・・・。

まさに ・・・ 共生 なんだよね。

私も願います、本当の意味での共生をする知恵を、
人間が身に付けていってくれることを ・・・。

ご実家のワンちゃん、そうなんだぁ ・・・。
お父様と、釣りのお供に ・・・。

ふふふ 可愛いなぁ、とても良い相棒だったのでしょうねぇ~。
やっぱり、犬と人は、友だったり、相棒であったりするよね。
その尊い関係が、いつの時代でも、変わらない ・・・。

素敵な話を、聞いたよ。ありがとうね!!
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